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Devinを「ナンバーワン」にできるか? Cognition AI日本法人が本格始動、事業戦略を語る

 2026年4月に日本法人を設立したCognition AIが、国内での具体的な事業戦略を発表した。

 Cognition AIは、自律型(AI)ソフトウェアエンジニア「Devin」を提供するベンダーだ。創業時から注目を集めるユニコーンとして頭角を現し、今や世界中のエンタープライズで製品が利用されている。日本でも、みずほ証券やDeNAなど既に大型の導入事例が明かされている。

日本法人設立時の記事(2026年4月)

共同創業者・日本法人代表へのインタビュー記事(2026年4月)

 同社が他国に先駆けて日本法人を設立した背景として、2026年4月の設立時には、本国(米国)を除いて日本で特にDevinが急速に浸透していったことが挙げられた。そして今回は、日本法人の代表を務める正井拓己氏から「日本市場が抱える深刻な問題に対し、Devinが協力な解決策になるからだ」と語られた。

Cognition AI Japan合同会社 日本法人社長兼ゼネラルマネージャー 正井拓己氏
Cognition AI Japan合同会社 日本法人社長兼ゼネラルマネージャー 正井拓己氏

 日本では、2030年までに最大約79万人のIT人材が不足するという予測が出ている。そして、エンジニアの高齢化による人材不足と技術継承の寸断、レガシーシステムへの依存、2025年の崖、SI業界の多重下請け構造、内製化の遅れなど、様々な問題と同時に対峙していかなければならない。

Devinの特徴をおさらい

 Devinとは、ソフトウェア開発のライフサイクル全体(既存システムの分析・理解、設計、計画、コードレビュー、テストなど)を自律的に代行する製品だ。単なるコーディングだけではないその網羅性と自律性から、「AIソフトウェアエンジニア」と呼ばれている。従来のエージェント型IDEのような、コパイロットやペアプログラマー的なユーザー体験とは異なり、独立したエンジニアとしてタスクをエンドツーエンドで(E2E)完遂する点が特徴である。

 つまり、レガシーシステムの構築者が不在の組織や、前任者が遺した技術負債に悩まされる組織でも、Devinが自動的にレガシーコードの中身を理解し、停滞していたモダナイズを自律的に遂行してくれるというわけだ。

 また、複数エージェントによる非同期の並列処理が可能となっている。いわゆるフロントのプラットフォームとなる「Devin Cloud」、エージェント型IDE「Devin Desktop(旧 Windsurf)」、CLIツールやレビューエージェントなど、様々なエージェントをシームレスに連携できる。加えて、特定のAIモデルに依存しないため、Anthropic、OpenAI、Google、DeepSeek、Kimiなど、タスクに応じて最適なモデルの組み合わせが選択できる。自動でのモデル選択も可能だ。そのほか、ソフトウェア開発に特化したCognition AI独自の軽量モデル「SWE」がプラットフォーム上に搭載されている。

 安全性を担保する機能としては、AIが安全にコードを実行・テスト・デバッグできる専用のマイクロVM(仮想環境)を自動手配する仕組みにより、シングルテナントでの利用、データ保護、権限管理などといったエンタープライズの要件を網羅しているという。

 日本語版は既にリリースされている。AIの評価は、トークン消費量ではなく業務成果で測る構造となっており、Devinの成果が利用料金を下回った場合には補填が行われる「AI Productivity Guarantee(生産性保証)」プログラムもある。

日本での事業戦略

 販売戦略としては、引き続きエンタープライズ規模にフォーカスし、内製化指向の顧客には直接販売を、伴走型支援が必要な顧客や中堅企業向けには、パートナーとの協業体制で展開するとのことだ。パートナーを通じた導入には、パートナーがDevinのライセンスを再販売する形式と、パートナー自身がDevinを導入して顧客へ成果物を提供する形の2パターンがある。

 最も多いと想定しているユースケースは、当面のうちはレガシーアプリケーションのモダナイゼーションだという。続いて、開発生産性の向上や、セキュリティ基盤などと連携したイベント駆動型の案件が増加する見込みとのことだ。

 また、日本法人の体制拡充と並行して、国内のユーザーコミュニティも設立予定だという。製品支援プログラムのローカライゼーションにも積極的だ。「Devinをエンタープライズ市場におけるナンバーワンのAIソフトウェアエンジニアに育て上げる」と、正井氏は大きな目標を掲げた。

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この記事の著者

名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)

サイバーセキュリティとAI(人工知能)関連を中心に、国内外の最新技術やルールメイキング動向を取材しているほか、DX推進や、企業財務・IRなどのコーポレート領域でも情報を発信。武蔵大学 経済学部 経済学科 卒業。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/news/detail/24602 2026/07/01 14:02

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