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クラウド時代に求められる運用管理の姿を「JP1 V9.1」から探る

アナリスト金谷敏尊がJP1担当者に聞く

JP1/IT Resource Managementでリソースプールを一元管理

金谷
コストメリットを得ようとするなら、ミッションクリティカルなシステムを含めて、仮想化で集約していくことが望ましいことは、企業もわかっているのですね。しかし先の理由から、高いサービスレベルや綿密なリソースマネジメントが求められるシステムにはなかなか導入に踏み切れないということですね。そこで重要になるのが、運用管理ツールだと思います。2010年6月にリリースされたJP1 V9.1では、どのような機能で先のようなユーザーの課題を解決しているのでしょう。
株式会社アイ・ティ・アール シニア・アナリスト 金谷敏尊 氏
更田
 JP1 V9.1の狙いは大きく2つあります。一つはITリソースの効率化、もう一つは運用業務の効率化です。このうちITリソースの効率化を支援するのが、「JP1/IT Resource Management(JP1/ITRM)」です。
金谷
JP1/ITRMを使うと、過去のリソースの使用状況から、将来的にどの程度のリソースが必要かという需要予測ができるようになるそうですね。
更田
 これまでの運用管理ツールでも過去の実績から、どのくらいのリソースを割り当てるかを予測することはできました。しかしそれだけでは、なかなかITリソースの効率化は図れません。JP1/ITRMでは空きリソースの検索、予約、サーバーの配備、使用実績の確認と見直しというリソースプールの運用サイクル全般に渡る作業を、ワンストップで出来るようにしました(図1)。先々の予約状況も把握できるので、割当の管理がスムーズにできるようになります(図2)。さらに今後は、リソース所要量の中長期的なキャパシティ管理が行えるところまで提供していこうと思っています。
図1:リソースプールの運用サイクル全般にわたり一元管理 
図2:仮想マシンの予約状況を一覧表示
 金谷
現状のITリソースの利用実態と今後の利用計画にもとづいて、将来にわたっての最適な導入が図れるということですね。仮想化へと移行する時期にある今は、仮想化、非仮想化のシステムが混在しています。コスト削減を目指すなら、それら異なる環境も一つのツールで管理するのが望ましいですよね。
更田
 仮想化、非仮想化だけではなく、仮想環境もVMwareだけではなく、Hyper-VやVirtageなど、マルチになってきています。おっしゃるとおり、混在環境を統合して運用管理できないと、運用業務の効率化は図れません。JP1/ITRMではこのようなヘテロな環境も、統一したオペレーションで管理できるようにしました(図3)。
図3:さまざまな混在環境でもオペレーションを統一
 金谷
システム構成の変更による影響範囲を調べるのに多くの時間を取られてしまうという課題については、JP1ではどのように解決しているのでしょうか。
更田
 「JP1/Integrated Management - Universal CMDB Advanced Edition(JP1/IM - UCMDB)」という新製品を使えば、システム構成を自動で検出し、サーバーや業務の関係を可視化してくれるため、システム変更による影響範囲を事前に把握できるようになるのです。
金谷
業務の構成を含む影響範囲まで事前に把握できるようになるのですね。例えば、あるデータベースが止まった場合もその影響を受けるジョブがすぐに分かるということですから、大幅に運用の効率が上がりそうです。先ほどJP1 V9.1の狙いは2つあるとおっしゃいました。もう一つの狙いについて教えてください。次ページへ続く

次のページ
利用部門に業務の一部を移譲し、運用業務の効率化

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