データウェアハウス市場において、30年以上の間リーダー企業として活躍してきたTeradata。ここにきて、同市場では相次ぐベンダーの買収劇や、新たなアプライアンス製品の投入など活躍するプレイヤーの顔ぶれも大きく変わりつつある。そんな中、新たなプレイヤーがターゲットとしているのが、老舗であるTeradataの顧客であろう。いまや追われる立場となったTeradata、現状のデータウェアハウスの市場をどのように捉えているのか、さらには市場のポジションを守る立場の同社の戦略、強みはどこにあるのか。来日していたコーラ-氏に話を訊いた。
景気後退がデータウェアハウスの追い風に
谷川:まだまだ世界の景気は回復したとは言いにくい状況にありますが、現在のデータウェアハウスに対する顧客ニーズはどんなところにあると考えていますか?

コーラ-氏:リーマンショック以降、企業経営を行う際に対処すべきさまざまな法規制が増えています。商取引に関するものはもちろん、バーゼル条約など地球環境保全への配慮も企業には求められています。そのため企業では、経営上のリスクをもっと細かく見ていきたいというニーズが高まっています。この傾向は、Teradataにとっては需要が喚起される結果につながっています。
とくに金融業界向けビジネスは、過去3年から4年の間に急成長を遂げています。そして、我々のビジネスの中でももっとも大きな部分を占めるところです。
金融以外の領域も、ここ6年から7年くらいの間は、データウェアハウス、BIへの投資が増加していると感じています。さすがに2008年から2009年にかけては企業のIT投資が削減されたこともあり成長はありませんでした。しかし、そういった中でも我々の売上は落ち込むことはなく横ばいで推移しており、厳しい状況下でもデータウェアハウスやBIは優先順位の高い投資分野となっています。
2010年から2011年にかけては、まだフルには回復してはいませんが、顧客の継続的な投資は増えつつあります。実際テラデータのレベニューも2010年度は13%増加しており、2011年度はさらに増えると予測しています。企業は経済環境的には厳しい環境だからこそ、その中でコストを下げながら生産性を上げたい。そのためにもっと細かいレベルで情報を見たいという要望があるのです。そう考えると、景気後退はむしろデータウェアハウスには追い風の状況だと言えます。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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