SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine Press(AD)

JP1 V9.5はハイブリッドなクラウド環境、多様化するビジネス環境への対応を強化

JP1 運用管理

 日立製作所は6月29日、統合システム運用管理製品「JP1」をバージョンアップすると発表した。「V9.5」として発売される製品で強化されるポイントは「進展するクラウド環境への対応」と「多様化するビジネス環境への対応」だ。その概要と、今回のバージョンアップの意図につて担当者に話を伺った。

ハイブリッドな仮想化集約環境での運用性を向上

 JP1 V9.5における第一のポイントは、「進展するクラウド環境への対応」だ。2010年6月発売の「V9.1」で導入されたプライベートクラウド環境への対応をさらに強化し、同時にパブリックを含めたハイブリッド環境のシームレスな監視、運用を可能にする。

 従来型の運用手法では、それぞれのサーバー、アプリケーションの稼働状況を監視することにより、ユーザーに提供されるサービスの状況を間接的に把握していた。しかしそれだけでは、クラウドや仮想化の導入により監視対象が増え、システムの構成や構造が複雑化している中では、機敏に運用することが難しい。

 そこで、JP1 V9.5では、アプリケーションやサーバーを含めたサービス自体を監視するJP1/IT Service Level Management(JP1/ITSLM)が投入された。従来の監視製品がシステム管理者の視点で機能が提供されていたのに対し、サービスを利用するユーザーの視点でサービスレベルの維持をしていくことが主眼とされている。そのため、サービスレベルの現状をひと目で把握できる画面が用意された。安定稼働の場合は緑、注意が必要な物は黄色、何か問題が生じているものを赤で表示する。ただ、システム管理ソフトウェア本部の加藤恵理氏は「実際の運用では、障害が発生する前に予兆を検知できるので赤や黄色が出ることは概ね回避できる」と語る。

サービスレベルを一目で把握
サービスレベルを一目で把握

  従来の監視手法では、システムの反応速度やCPUの使用率などが、設定されたしきい値を越えて初めて異常と判断する。一方JP1の予兆検知では、過去の状況(ベースライン)から実測値がかい離しはじめた時点で予兆としてアラートが出る。問題発生前に対策を行うことで、対応時間の大幅短縮と、サイトを止めずに障害を未然に防止することができる。

 それを可能にしているのは、日立独自のストリームデータ処理技術の応用による、大量の監視データのリアルタイム分析だ。しかもベースラインは一つではなく、下限値と上限値の2本立てになっており、その間の幅で外れがないかを見ている。「例えば、アクセスが集中する時間に、多少レスポンスが悪くなるのは通常の状況といえる。しかし、アクセスが多いのにパフォーマンスが落ちない場合、逆に何か問題が発生する可能性がある」(加藤氏)。

 ただ、予兆検知のため、すべての怪しい事象に対してアラームを上げてしまうと、本当に危険な兆候を見落とす可能性が高くなる。運用管理者から見れば、アラームの精度をいかに上げるかが、次のポイントになる。日立社内での実証実験では、問題が発生する1時間前までに85%以上の予兆を検知できることが確認されている(顧客環境での通信高負荷時の障害を対象にしたプロトタイプ検証の結果による)。残りの15%は、限りなく白に近いグレーゾーンの事象を予兆として通知し、結果的に白だったものだ。つまり、問題発生を見逃したのではない。

 監視系ではしきい値の設定に悩む運用担当者が多いが、「JP1/ITSLMを一ヶ月程度稼働すれば、ベースラインが自然と取れる。そういう面でも使いやすい製品だといえるだろう。

リアルタイムな分析による障害の予兆検知
リアルタイムな分析による障害の予兆検知

次のページ
利用者視点でのITリソース使用の効率化を促す

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/3287 2011/07/01 12:28

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング