なぜITを「リフォーム」するのか
ITのレガシー資産に関する移行や再活用のいったテーマの中で、「ITリフォーム」という考え方を提唱しているのが株式会社ソフトロードの代表取締役社長 劉 忱(リュウ シン)氏である。日経コンピュータは今年(2011年)1月の発刊号で「さらば新規開発~ITリフォームで投資効果を最大化」という特集を組み、ソフトロードのITリフォームを大きく取り上げた。設立10年あまりの会社にもかかわらず、同社が大きく取り上げられことは、ITリフォームという考え方の注目度を表している。
その背景には現在、企業が抱えるITは老朽化の問題があると劉氏は指摘する。早くからITに着手した大企業ほど老朽化の課題は多く、ハードウェア、OS、ミドルウェア、DB、言語などのリソースや環境の陳腐化がまず第一にあげられる。さらに業務の変化に対応させるための、システム改善への要求が高まってくる。いずれも、IT部門にとってはコストとリソースが重くのしかかる課題である。その一方で、開発・維持コストの削減や、品質への要求レベルは変わらない。
こうしたITの老朽化に対応するための従来の考え方は、(1)再開発、(2)マイグレーション、(3)パッケージ導入といったものだが、いずれの手法も問題が多い。再開発は高価で、手間がかかり品質も不安定、マイグレーションは適用範囲が小さく改修に向かない、パッケージは業務に完全に適用させることが難しいという理由で、老朽化対応が見送られるケースが多いというのが実状だという。