エンバカデロ・テクノロジーズ日本法人代表の藤井等氏は、多くの企業において開発し利用しているアプリケーションに関する課題は、2つあるという。
手間をかけずに旧いアプリケーションを使い続けたい

日本法人代表 藤井 等氏
エンバカデロ・テクノロジーズ日本法人代表の藤井等氏は、多くの企業において開発し利用しているアプリケーションに関する課題は、2つあるという。
「まずは、数年にわたり利用してきたアプリケーションをOSのサポート切れやハードウェアの更新、データベースのバージョンアップやベンダーの変更、さらには会社の統合などによるIT環境の変化を期に全面的に見直したい。そしてもう1つが、いま使っているアプリケーションを今後も使い続けたい。これらを、なるべく手間をかけずにおこないたいというのが開発の現場の課題です」(藤井氏)
さらに、どのアプリケーションは新しく作り直し、どのアプリケーションは使い続けるかといった調整も、情報システム部門にとっては頭を悩ませる問題だ。2000年頃は、企業においては何でも新規に開発する傾向が強かった。ところがその後は、一度コストと手間をかけて開発したアプリケーションは、なるべく余計なコストをかけずに使い続けたいという要望が高まっている。
そうなると、システムを一気に作り替えることにはならないので、既存のアプリケーションと新規開発のものを連携させる要件も出てくる。また、コストをなるべくかけたくないので、クライアントのアプリケーションはそのままで、データベースだけを新しいバージョンに移行する、あるいは他のより低コストな製品に乗り換えたいといった要望も出てくる。
こういった課題を解決するには、統合的な開発環境を活用しておくべきだというのが、エンバカデロの主張だ。開発ツールであるDelphiを利用しアプリケーションを開発していれば、たとえば2000年頃に開発したDelphiのバージョン4くらいの旧いツールで構築されたアプリケーションでも、プロジェクトのファイルさえあればそれを最新版のDelphi XE2で構築し直すことで、修正などを特にしなくても最新版OSに対応させることができる。これならクライアントPCの環境を最新OSに移行しても、従来のアプリケーションをほとんど変更することなく使い続けられるのだ。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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