kintoneがFASTなITサービスであることは使ってさえもらえれば実感できる
「kintoneのコンセプトは、FASTシステムです」
そう宣言するのは、サイボウズ株式会社ビジネスマーケティング本部 kintoneプロダクトマネージャーの田村悠揮氏。欲しいときにお手頃価格ですぐ手に入る、FASTファッションやFASTフードと同じコンセプトをITシステムでも実現できないかという発想から生まれたのが、クラウドデータベースサービスのkintoneだ。
kintoneの開発プロジェクトは4年ほど前から始まった。サイボウズにはWebデータベースのデヂエがある。デヂエはお手軽Webデータベースということで、エンタープライズでの部門やSMBの利用がほとんどだ。 より簡単ですぐに使えるものをと考えた結果、kintoneというクラウドのサービスとなった。クラウドならばインストールやセットアップが必要ないのですぐに利用できる。kintoneは、現在は部門での利用が多いが、ゆくゆくはエンタープライズで全社インフラとしてNotes乗換なども想定している。
「クラウドであれば、常に最新のものをユーザーは使えます。さらに時代の流れに沿って進化もできます」(田村氏)
デヂエのノウハウを活かし、よりFASTな仕組みを考えたらクラウドのデータベースサービスになったというわけだ。
もっとも、Kintoneの前身となるプロダクトの開発をしている時点では、オンプレミスを前提としたWebデータベースアプリケーションだったのだが、最終的にクラウドで勝負することになったのは、社長である青野慶久氏の意向であったという。
kintoneは簡単にすぐに使えるクラウドのデータベースサービスというだけでなく、プロセス管理機能とコミュニケーション機能を持っていることがその特長だ。業務を「情報のストック(=データベース)」「情報をプロセスに沿って扱う(=プロセス管理)」「人と人のコミュニケーション(コミュニケーション機能)」の3つの要素に分解し、これらを組み合わせることで多くの業務アプリケーションに対応できるというのがサイボウズの考え方である。
たとえば、外部ライターの協力を得ながらWebの制作を行っている会社の例では、以前は外部ライターとのやりとりはメールを利用していた。何度もやりとりすると、作業は繁雑になり手間が増え、間違えなども発生しやすい。
「これを、kintoneを使って原稿をアップロードする仕組みに構築しなおしたことで、社外とのやりとりをきちんと管理できるようになり、さらにそこからスムースに社内のWeb制作プロセスに移行できるようになりました。外部と内部のプロセスをスムースに連携できるクラウドならではの効果です」(田村氏)