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PureDataが3つのラインナップで登場した理由は、IBMが長い歴史から学んできた思想にある。

トランザクションでデータを蓄積しながらリアルタイムに分析するニーズに応える

 PureDataの中でも、ある意味汎用的な目的に利用できるのがfor Operational Analyticsだ。トランザクション処理と分析をミックスした特性を持つからだ。ベースとなっているのは、IBM Smart Analytics Systemの技術だ。

 アプリケーションによっては、発生したデータを蓄積しながら適時に判断したい場合もある。つまり、トランザクションデータをリアルタイムに反映し、照会や分析が要求されるケース。たとえば、クレジットカード会社が、リアルタイムに不正利用を検出したいといった用途がそれだ。このような場合には、同じ分析を目的としていてもfor Analyticsとは異なる構造が必要だ。for Operational Analyticsでは、ランダムな順次読み取りとデータロード、そして継続的なデータ収集ができるように最適化されている。アーキテクチャはシェアードナッシングで、パーティショニングを用い、適宜狭い範囲で効率的に演算処理ができるようになっている。

 利用されているデータベースは、DB2だ。DB2に搭載されている表、ページという2段階で圧縮が行えるアダプティブ圧縮、履歴データのトレンドを分析し将来の予測を可能にするタイムトラベル照会などの機能を活用することで、リアルタイムに蓄積されるデータを瞬時に分析し新たなアクションに結び付けることが可能だ。

 オペレーショナルデータのリアルタイム分析の際には、個人データなどセキュアに扱うべきものが対象となることも多い。そういった際にも役立つ、行、列というレベルでの細かいアクセス制御機能もあり、強固な制御も可能。また、ワークロード・マネージャーにより、優先して行うべき処理も細かいレベルで設定でき、サーバー資源を有効活用できる。さらに、32コア256GBメモリというXSサイズから、96コア768GBメモリのLサイズ、さらにはその上のXLサイズまで用意されており、必要な処理容量に合わせ柔軟な選択ができるのも大きな特長だ。

 市場にはトランザクション処理を行いながら、そのデータを適時分析したいというニーズがあることをIBMは分かっているからこそ、for Operational AnalyticsをPureDataのラインナップに加えられた。このようにIBMでは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、自らの手で最適化したデータベースマシンを用意するに止まらず、そこにIBMの長い歴史の中で育まれてきたアプリケーションに対するノウハウや知見も加えることを選択した。だから、トランザクション用、分析用といったより細かな目的ごとに別々のシステムを提供することになったのだ。

 つまりは、1つの汎用的な高性能データベースマシンではなく、ユーザーニーズに直結しそれに特化したシステムを提供する。ハードウェアとソフトウェアをベンダーの手で最適化したものがエンジニアド・システムズだとすれば、それにさらなる知見を加えより少ないコストで最高、最適なパフォーマンスをユーザーニーズに合わせて提供しようとしているのが、IBMの目指す「Expert Integrated System」ということ。IBMでは、今後さらにユーザーニーズに特化した新たなPureDataも提供する可能性があるとのことだ。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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