「鳥の目を持って、地べたを這う」現場の強みを徹底的に生かすデータモデル/プロセスモデルの作り方
■第16回Xupperユーザ事例紹介セミナーレポート
現場のユーザーを業務フローの世界に巻き込む
ビジネスの動的な側面を表すプロセスモデルには、Xupper IIの業務フロー(ビジネスフロー)を使用する。業務フローを使う最大のメリットは、シンプルに「わかりやすさ」だという。
プロセスモデル作成において赤氏が最重視しているのは、現場の強みを最大限に生かすことだ。それには、現場のユーザーの視点に立って業務を表現すること、そして、その表現を共有することが求められる。
そこで重要となるのが、ストーリー性だ。設計者は「ストーリーテラー」としてプロセスモデルを作成し、「物語」(ストーリー)を「主人公」であるユーザーと共有する。そうすることによって、ユーザーを業務プロセスの世界に巻き込んでいく(図2)。

利用部門の担当者に業務フローを遂行する「主人公」の視点に立ってもらうためには、図(BFD)の内容に引き込む工夫が必要となる。赤氏は、そのコツを2つ紹介した。
1つは、これから共有すべき業務の前提を伝えること。言い換えれば、物語の状況、背景をきちんと理解してもらうことだ。詳細な状況設定をすることで、新業務フローのイメージを具体的に持ってもらえるので、仕様の漏れなども見つかりやすくなる。
もう1つは、業務フローの内容を説明する際に、業務の流れを表す線を赤ペンなどでたどりながら話すこと。ユーザーが業務の流れを具体的にイメージできるように、順を追って説明し、一緒に物語(ストーリー)を共有して作り上げていく。
赤氏は他に留意点として、各プロセスに対して役割を明確に定義しておくこと、データモデル×プロセスモデルの最小粒度をきちんと管理しておくことなどを挙げるとともに、まとめとして「天高く舞う鳥の視点を持ちつつ、地べたを這って泥臭く仕様を固めることを両立しなければならない」とし、セッションを結んだ。
ケン・システムコンサルティング株式会社 http://www.kensc.co.jp/
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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