矢野経済研究所が企業のクラウドコンピューティング利用率を調査
矢野経済研究所は2月4日、国内の民間企業等に対して実施した、クラウドコンピューティング利用等についてのアンケート調査結果を発表した。本調査は、2012年7月~12月の期間に日本国内の民間企業および自治体等572法人(団体)へ郵送によるアンケート調査を実施したもの。
プライベートクラウドの利用率は初めて二桁台へ
同調査によると、国内の民間企業および自治体等572法人(団体)に対し、プライベートクラウド(自社クラウド基盤)への関心および利用率をアンケート調査したところ、「利用中」は11.4%となった。
また、「検討中」が6.1%、「関心あり(情報収集段階)」が21.6%となっており、これらを合計すると39.1%の企業・団体が関心をもっていることになる。一方で、「関心なし」が38.9%、「わからない」が22.0%となった。
同社が実施した過去2回の調査では、プライベートクラウドを利用している企業・団体は2010年が3.3%、2011年が3.8%と低迷していたが、今回2012年の調査では11.4%と2011年調査から7.6ポイント増加し、初めて二桁台となった。特に、ユーザー企業のなかでも大手企業において積極的にプライベートクラウド化を進めており、今回の伸びにつながったという。
パブリッククラウド(IaaS、PaaS)の利用率は、7.3%にとどまる
また、IaaS、PaaS(パブリッククラウド:IT ベンダーのクラウド基盤)の関心および利用率は、「利用中」が7.3%となった。「検討中」は4.3%、「関心あり(情報収集段階)」が19.8%となっており、合計した31.4%の企業・団体が関心を寄せていることになる。 一方で、「関心なし」が42.2%、「わからない」が26.4%となった。
IaaS、PaaS を利用している企業・団体は、2010年調査の1.9%、2011年調査の2.5%と比較すると、今回2012年の調査では7.3%と大きく利用率が上昇しているが、2011年調査からの伸びは4.8ポイント増にとどまった。
今回の発表は、同社が発行した「2012-2013 クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場の実態」(矢野経済研究所)にその詳細が報告されている。
■参考:株式会社矢野経済研究所 ホームページ http://www.yano.co.jp/