ブロブストCTOは、ゼネラルセッションで何を語るのか
午前中の特別講演ではエコノミストの齋藤精一郎氏が日本経済の動向を語る。このところ日本では新政権による金融・財政政策により株式市場が活発化するなど経済動向が注目されているが、これが一時的な活況か、本格的な再成長へ導くところかは経営者だけでなく、ビジネスマンであれば気になるところ。とくに製造や金融といった分野のIT関連の管理職層にとっても、このあたりのトレンドはぜひ押さえておきたい。
そして午前中の注目は、なんといってもテラデータCTOのスティーブン・ブロブストのセッションだ。ブロブストは、米国ではトップレベルCTOに選出されるほどの、データ分析の重鎮。
DBオンラインの取材でも、「Hadoop=ビッグデータ」とみる風潮を厳しく批判し、「MapRはいずれ淘汰される」などの刺激的な発言をおこなっていた。今回のセッションは、彼が考えるデータサイエンスによるビジネスを変革がテーマ。一筋縄ではない、深い洞察と知見を提供してくれるにちがいない。
アビバ、ウェスタンデジタルなどグローバル企業のビッグデータ活用戦略とは
流通、金融、製造、保険業界の大手がデータ分析から、いかに戦略策定をおこなっているかが今年のみどころである。特色は一言で言えば「中身の濃い実践事例」ということになるだろう。これまでのビッグデータをテーマにしたイベントの場合、「ビッグデータとは何か」「今後のビッグデータ活用の可能性」といった概念定義やトレンド解説のものが多く、実際の企業の現場でどのように活用できるかの事例は少なかった。とりわけ日本の具体的な企業事例となると、なおさらの感があった。BIやDWHの場合、事例は企業の戦略の根幹に関わることから、なかなか生の情報は得られない。今回のカンファレンスでは、最新事例として、大丸松坂屋百貨店などの事例が紹介される。大丸松坂屋百貨店のセッションは百貨店再生プログラムのための情報インフラがテーマ、厳しい環境下での再生戦略としてのシステムの取り組みは注目に値するだろう。 また世界第六位の英国保険グループアビバ社の統合マーケティングシステム、米国HDDドライブメーカーであるウェスタンデジタル社における品質管理の推進、冷凍食品の世界トップ企業マッケインフーズ社の生産パフォーマンスの向上など、グローバル企業の最先端の活用事例なども大いに参考になることだろう。
とりわけマッケインフーズ社のセッションでは、現在Teradataで進められている、統合データの活用による工場の「現場のプロセスの見える化」という最新のプロジェクトの様子が発表される予定。KPIをセットし、その指標に対して稼働率を評価、同じ製品を生産している他工場と比較原因分析を行い、結果として稼働率の向上をもたらすという内容となる。製造業の最前線のイノベーション事例として価値のある発表になるだろう。
ヤフーの「爆速」を支える分析基盤とは
昨年の新経営体制以来、「爆速」を標語にそのビジネスのスピードと革新性が注目されているヤフーのセッションは注目だ。タイトルは「爆速化を支える分析環境の構築とユーザ育成の取り組み」である。
ヤフーはこれまでも「Yahoo! JAPAN」の分析基盤として、Teradataを導入してきたが、このたびより容量が大きく、パフォーマンスが高いTeradata 6690を導入した。広告の効果検証、新サービスのシミュレーション、さまざまなサービス利用状況の可視化にともなう大規模データの蓄積、検索、分析の手法とパフォーマンスの追求をおこなっている。先日リリースされた、このあたりの実践の成果が公表されるだろう。
またITアナリスト・コンサルタントの栗原潔氏は、今回はビッグデータの基盤構築と手法についての解説を行う予定だ。卓抜な知見と技術動向の紹介の分かりやすさで定評のある栗原氏が、今回も最新の情報を提供してくれるだろう。
ランチセッションと展示
ランチセッションはBI系のパートナー企業であるマイクロストラテジー、ジールの2社がおこなう。また展示コーナーでは、Teradata データベース 14.0、ビッグデータ分析プラットフォームTeradata Asterの他、Teradataのプラットフォーム製品群や協賛パートナーによる展示もおこなわれる予定である。ビッグデータ活用を支援する最新ソリューションとベストプラクティスを一同に体感できる「Teradata Universe Tokyo 2013」は見逃せないイベントとなるだろう。ぜひ参加をおすすめする。
・日時 3月7日(木)10:00~17:50
・会場 セルリアンタワー東急ホテル(東京・渋谷)
・主催 日本テラデータ株式会社
・参加費 無料
・お申し込み方法 事前登録制
・詳細・申込み ⇒ こちら