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組織的なイノベーション、道具としてのデザイン思考

組織によるイノベーションの時代

(第1回) 

イノベーションを得意とする組織と、そうでない組織の間にある違いは何だろうか。本連載では、体系的プロセスに基づいた、組織的イノベーションの実践について述べる。実践道具の1つとして、個人の学びを組織内で繰り返し活用可能にするデザイン思考も取り扱う。最終的には、個人の創造性を行動に変え、世界規模で成果を出す日本組織の在り方を明らかにしたい。第一回目は、イノベーションにおける2つの異なる視点に触れながら、今後の組織経営に必要となるイノベーション実践の方向性を示す。

イノベーションを起こすための仕組みやプロセスが不足している

 「日本の時代は終わった」。そんな空気がシリコンバレーに流れている。ブルームバーグのランキングによれば、世界で最もイノベーティブな国はアメリカだ。2位は韓国。そしてドイツ、フィンランド、スウェーデンと続く。評価基準は、R&Dや特許への取り組み、生産能力や生産性などの7要素となっている。日本はどこにいるのか。スウェーデンの次、6位だ。悪くはない。しかし、この順位が各国の成長可能性を示すとしたら、これからのアジアを担うのは日本じゃなくて韓国になる。もしくは、2010年に日本を抜いてGDP世界第2位となった中国だろうか。

写真.ブルームバーグのHPより

 いずれにせよ、世界における日本の存在感は日々低下している。今年の3月にシリコンバレーを訪れた時にも、同じことを感じた。スタンフォード大学やGoogle、IDEOの関係者と話をする中で、日本は世界から無視されつつあるような気がしたのだ。

 もちろん、日本を肯定的に捉えている人もいる。国際関係論の視点から日本や日本の企業について研究しているスタンフォード生は「私は日本の将来に期待している」」と言う。アメリカの広い道路を眺めれば、トヨタやホンダといった日本車が行き交う。お店に入ればソニーの製品や任天堂のゲームが目に入る。日本企業は活躍しているはずだ・・・。

 私はこれまでコンサルタントとして、もしくは研究者や教師、ファシリテーターとしてイノベーションに関わってきた。2012年に入ってからは、特にデザイン思考をテーマに多くの人と関わる機会に恵まれた。その形はベンチャー企業へのイノベーション研修やエグゼクティブ向けのワークショップ、一部上場企業との共同研究とさまざまだ。もちろん参加者のバックグラウンドはそれぞれ異なっている。しかし、それぞれが抱える問題意識には共通点があるように思う。

 たとえば、ワークショップに参加した大手情報通信企業の人事担当者は、“イノベーター育成法”としてのデザイン思考に注目していた。それはなぜか?組織にイノベーションが不足しているからだ。イノベーションを推進し、実践できる人がいない。より根源的な問題を意識するなら、イノベーションを起こすための仕組みやプロセスが、組織の中に確立されていないことがわかってくる。

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アップルはイノベーションのお手本になるか?

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

岡山県出身。専門はイノベーション・プロセス。スタンフォード大学d.schoolでイノベーション手法:デザイン思考を学ぶ。同大学発行の『デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド』監訳など、デザイン思考関連教材は公開6ヶ月でダウンロード5万件。岡山大学大学院で3年間教鞭を執った後、慶應義塾大学SFC(湘南藤...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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