前回は、、ビジネスアーキテクチャーの3つ目の柱である「オペレーション基盤」の2つ目の要素である「コンピタンス」についてお話ししました。今回は、コンピタンスのサブ要素であるリソース(経営資源)についてご説明していきましょう。過去の連載は、こちらから。
コンピタンスは「独自能力」、リソースは「独自能力」を形成する素
リソースの定義
まずは、リソースの定義からスタートしていきましょう(図表1)。

前回ご説明したとおり、コンピタンスとは価値提案を生成するために持っている企業の独自能力であり、リソースとはそれに必要とされるモノです。
プロ野球で考えてみましょう。球団は「エキサイティングなゲーム」と「高視聴率の広告枠」という価値提案を提供しています。この価値提案の基礎となるものが「イベント運営能力」、「チーム統率力」、「スポンサーリレーションシップ」などのコンピタンスです。このコンピタンスに必要とされるリソースとしては「スタジアム」、「運営資金」、「ブランド」、「選手やスタッフ」が挙げられるでしょう(図表2)。

リソースの4つのタイプ
必要とされる主要なリソースは、業種や業態あるいはビジネスモデルによって大きく異なることがあります。企業が保有しているリソースの一覧表を作成することは、コンピタンスと同様にそれほど簡単ではありません。バランスシート(貸借対照表)は、リソースの限定的な側面しか提供していません。ここでは、幅広い観点からリソースを捉えるために、次頁で、4つのリソースのタイプをご紹介します(図表3)。

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白井 和康(シライ カズヤス)
ITコンサルティング会社所属。IT業界において20年以上にわたり、営業、事業企画、マーケティング、コンサルティングと幅広い役割に従事。2年前のある日、「日本のビジネスに光を!」という天からの啓示を受けて以来、ビジネス構造の究明と可視化に没頭中。好きな言葉は、「人生とは、別の計画を作るのに忙しいときに起こる出来事である。」(ジョン・レノン)Facebookページ「ビジネスアーキテクチャー研究ラボ」を運営中。
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