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イノベーションを可視/加速化する「ビジネスアーキテクチャー」集中講義

ビジネスモデルは、イノベーション実現のための「ビジネス構造」を可視化する

(第15回) 

今回は、2月より11回にわたってご説明してきましたビジネスモデル(ビジネス設計)の総括をします。新しいビジネスを興そうと考えている方、現行ビジネスの変革を目指している企業、是非ご活用いただけたら幸いです。なお、ワークシート(テスト評価版)もダウンロードできるようにしました。ワークシートのダウンロードは、最終ページにダウンロード方法を記載しています。過去の連載は、こちらから。

ビジネスモデルの4つの柱

 ビジネスモデルとは「自社(自分)がどのようにお金を稼いでいるのか?」の論理的な構造を説明するものであり、「プロダクト革新」、「顧客インターフェース」、「オペレーション基盤」、「財務構造」という4つの大きな柱から構成されています(図1)。

図表1 ビジネスモデルの4つの柱

 ビジネスモデル構築の主要な目的は、9つのビジネス要素を定義するとともに、各要素間の関係性を“ストーリー”として検証することにあります。さらに、次回よりスタートするモチベーションモデル(ビジネス計画)に対する情報、イノベーションに対するヒントをも提供してくれます。

 それでは、ビジネスモデルを構成する各要素のおさらいをしていきましょう。

何の価値を提供しているのか?(プロダクト革新)

「価値の発見」には、“フレーズ化”と“差別化要因“の整理が重要

 「価値提案」は、ビジネスモデルの中核に位置するビジネス要素です(図2)。顧客に提供している価値の全体像を説明してみましょう。たとえば、アマゾンのジェフ・ベソズ氏は「我々は商品を売って利益を得ているのではなく、お客様の購買選択をお手伝いすることによって利益を得ている」と語っていたことがあります。さらに短いフレーズで、価値コンセプトを考えてみるのもよいでしょう。「第三の空間(スターバックス)」、「空飛ぶバス(サウスウエスト航空)」、「10分間の身だしなみ(QBハウス)」などは良いお手本です。

 次に、有料・無料を問わず、価値提案を構成するプロダクトやサービスをリストアップし、各々の「価値論拠(機能、金銭、信頼、経験、利便、リスク価値など)」、「価値レベル(コモディティ、プレミアム、イモベーション、イノベーション)」、「価格レベル(フリー、エコノミー、マーケット、ハイエンドなど)」、「価値ライフサイクル(耐久消費材であれば購買から廃棄、ホテルであれば予約からチェックアウトまで)」を明確にしていきましょう。ライバル企業との差別化を図るために、戦略キャンバスを活用することは良いアイディアです。

図表2 価値提案

次のページ
誰に、どのように価値を提供しているのか?(顧客インターフェース)

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

 ITコンサルティング会社所属。IT業界において20年以上にわたり、営業、事業企画、マーケティング、コンサルティングと幅広い役割に従事。2年前のある日、「日本のビジネスに光を!」という天からの啓示を受けて以来、ビジネス構造の究明と可視化に没頭中。好きな言葉は、「人生とは、別の計画を作るのに忙しいときに起こる出来事である。」(ジョン・レノン)Facebookページ「ビジネスアーキテクチャー研究ラボ」を運営中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/5004 2013/08/06 08:00

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