SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

イノベーターの本棚

イノベーションを生みだし続ける組織のあり方-「コネクト型組織」とは?

イノベーションに効く翻訳書01:『コネクト ―企業と顧客が相互接続された未来の働き方』 


コネクト型組織の実現プロセス

 本書では、コネクト型組織の実現プロセスとして、1:共通の目標の設定2:自律的なポッドの形成3:再生産による成長4:統制ではなくサポートのためのプラットフォームづくり、の4つを挙げています。

1.共通の目標の設定

 「コネクト型組織」では、組織のヒエラルキーを超えて構成員が縦横無尽に動き、いろいろなつながりを発生させます。「分割型組織」はトップダウン的に目標が伝達されればいいのですが、コネクト型組織ではそうはいきません。むしろ目標・ゴールがすべての構成員から均等に見えるようになっていて、各構成員が自律的にそのゴールに沿って動く必要が出てくるのです。そのため、どの構成員にもある程度ハラに落ちる納得性の高いゴール設定が必要になります。

2.自律的なポッドの形成

 組織の構成員の自律的な動きは、「小さなチーム」として編成されるときにその力をより発揮させることができます。本書では、この自律的で実行力のあるユニットを「ポッド」と呼んでいます。ポッドはポッド間で網の目のようなネットワークを形成し、時には細胞分裂のように柔軟に規模を小さくしたり、他のポッドと結合することで大きくしたり、その場の状況に応じて柔軟に変化しながらゴールに基づいた実行を行っていきます。

3.再生産による成長

 ポッドは特定機能特化の分業型組織ではありません。ポッドでは、最初から最後まで、プロセスを完結できる多様性をもった人員が組織化されます。時には既存のポッドを一時的に拡大し、細胞分裂させることで、同等の実行力をもったポッドを、暗黙知を共有しながら再生産することができます。このようにして成功したポッドの実践を組織の中に伝播させることができ、次の成功を生み出すきっかけになるのです。

4.サポートのためのプラットフォームづくり

 コネクト型組織における経営者やマネージャーの役割は、こうした自立性と柔軟性を兼ね備えた組織をサポートする仕組みをつくることです。これまでのマネジメントの要諦は、統制によって組織に指令を出すことでした。一方コネクト型組織で求められているのは、ポッド型のユニットのモチベーションを絶やさないよう支援・サポートによってその活動を支える環境を整えることです。コネクト型組織ではトップダウン型のリーダーよりも、環境整備型の後方支援型リーダーが求められているのです。

「分割型組織」と自律的で実行力のあるユニット「ポッド」
図1. 「分割型組織」と自律的で実行力のあるユニット「ポッド」

次のページ
日本型組織における実験的実践

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
イノベーターの本棚連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岩嵜 博論(イワサキ ヒロノリ)

株式会社博報堂 コンサルティング局ストラテジックプラニングディレクター
博報堂において国内外のマーケティング戦略立案やブランドプロジェクトに携わった後、近年は生活者発想によるビジネス機会創造プロジェクトをリードしている。専門は、エスノグラフィックリサーチ、新製品・サービス開発、ビジネスデザイン、ユーザ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5158 2013/10/29 17:20

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング