基調講演のスペシャルゲストが決定、実践企業から成功事例を学べ
セールスフォース・ドットコムが開催するイベントとしては、米国サンフランシスコで開催される年次カンファレンスイベント「Dreamforce」が最大規模のものだ。今回、10月30日に東京で行われるSalesforce Customer Company Tour Japanは、Dreamforceに次ぐ規模のものでグローバルに展開されているイベントだ。
日本では今春、福岡、大阪、名古屋、東京の4箇所で既にこのCustomer Company Tourを開催しており、今回の秋で東京ではじつに今年2度目の開催となる。2回ともに、CEOであるマーク・ベニオフ氏が来日、自ら基調講演を行う。これらのことからも、セールスフォース・ドットコムが日本市場をいかに重要視しているかを、うかがい知ることができる。
30日10時から行われる基調講演のステージにも工夫がなされるという。日本のカンファレンスでは珍しい円形ステージで、観客席はそれをぐるりと囲むように配置されているのだ。これは、360度、どの席に座っても同じ体験ができるように設計したもの。さらにベニオフ氏は、ステージ上だけでなくその客席の間を自由に歩きながら講演を行う(写真下)。そのため、会場は通常よりもかなり明るく、講演者側からも聴講者の顔がよく見える。
ご存じのように、ベニオフ氏は声も大きく、たたみかけるようなペースで力強く話をする。そんなベニオフ氏が、時には自分の座っている席のすぐそばまで歩いて来て話をする。聴いているほうは居眠りする暇もない。彼の話に、どんどん引き込まれることになるだろう。これもまた、ただステージ上からの講演を聴くだけではない、参加型イベントのインタラクティブ性に通じるものだ。
基調講演の内容も一風変わっている。多くの場合、自社製品やサービスの素晴らしいところ、つまりは「自慢話」となるのが普通だが、ベニオフ氏の基調講演ではそれよりも「顧客の成功体験」が重視されている。自分たちのサービスがどのように優れているかを単に説明するのではなく、顧客がどのような課題を抱えており、それを同社のサービスを利用し、どう解決しビジネスの新たな成功に結びつけたのか。その部分が中心に紹介され、参加者は成功企業からビジネスのヒントを学ぶことができるというわけだ。このあたりが、まさにCustomer Company Tourというイベント名にもつながる大きな特徴だ。
現在、さまざまなビジネスで企業が成功するには、クラウドやソーシャル、モバイルを使って顧客とつながり、さらにそこから得られるさまざまな情報から個々の顧客のインサイト(洞察)を知り、素早くアクションを起こす必要がある。これを実践できる企業となることが「Customer Companyになる」ことであり、それに取り組む成功企業がまさに増えつつあるのだ。
今回の基調講演では、こうしたCustomer Companyの成功事例が多数紹介される。海外の先行事例はもちろん、日本での成功事例の詳細も明らかになる予定だ。そのためのスペシャルゲストとして、
- 経済産業省 中小企業庁 長官官房 参事官 三又 裕生氏
- キヤノンシステムアンドサポート株式会社 代表取締役社長 神野 明彦氏
- 楽天Edy 株式会社 執行役員マーケティング部 部長 小山 幸宏氏
という3氏の参加も決定した。ここでもクラウド、ソーシャル、モバイルをどう活用し新たなビジネスの成功を成し遂げたかをゲスト自らが説明する。