データセンターの刷新、100% Cloud Ready、ビッグデータの蓄積と活用
営業戦略としては、認定パートナーを250社から500社に倍増させ、新製品、新ソリューションで新しい顧客を開拓する。特に、クラウド基盤構築ソフトのOpenStack関連のソリューションパートナーや、OpenStackやPaaS構築ソフトのOpenShiftなどを活用するISVパートナーの支援を強化する。
大手顧客向け営業では、クラウドやビッグデータ活用のソリューション提供とインダストリー向けに力を入れる。ユーザー会は100社300人規模と20%増を目指し、ユーザー事例を世界に向けて発信していく。
「2015年度の事業方針は、市場の倍のスピードで成長すること。Linux市場ならRHELはその倍といったように、メインのドメインの倍で成長していく方針だ。これにより、日本のITをドライブしていく」(廣川氏)
具体的に注力するソリューションについては、大きく3つのテーマに分けて説明した。1つめは「データセンターの刷新」。ソリューションとしては、「RHEL7によるレガシーマイグレーションの加速」「コンテナ技術など進化する仮想化への対応」「ミドルウェアの軽量化、超高速化」がある。
「データセンターの刷新は、国内展開を始めた20年前から取り組んできた。だが、日本のデータセンターはまだまだ遅れており、『このデータセンターでは世界に勝てない』という状況だ。逆に世界と伍しているソフトバンクや日産自動車などは、データセンターで勝っている。データセンターのモダナイズをしっかりやりたい。これだけでも2ケタ成長できる分野だ」(廣川氏)
2つめのテーマは、「100% Cloud Ready」。ソリューションとしては「クウラドアクセス対応」「OpenStackの展開」「OpenShiftでのDevOpsの実現とxPaaSによる付加価値の提供」を挙げた。xPaaSは、OpenShiftで利用できるJBoss xPaaSサービスで、BPMやモバイルサービス、アプリケーションコンテナなどをPaaSとして提供できるようするものだ。
「レッドハットでは、製品テクノロジー戦略として、クラウドを中心としたプログラマブルITの実現を掲げている。進化した仮想化への対応、世界標準のIaaS、オープンソースのPaaSの3つをビジョンとして、新製品やソリューションの提供、サポートを強化していく」(廣川氏)
3つめのテーマは、「ビッグデータの蓄積と活用」。具体的なソリューションとしては「ファイルストレージのGlusterFSやブロックストレージのCephといったストレージソリューション」、「データ仮想化、データ統合、ビジネスフロー、ビジネスルール、メッセージングなどのミドルウェア」、「メッセージング製品MQTTを中心としたIoT(Internet of Things)」を挙げた。
GlusterFSは、買収したRed Hat StorageのベースとなるOSSで、Cephはこの5月に買収を発表したブロックストレージソフトだ。こうした分散ストレージのうえで、データ仮想化やデータ統合、BRMSなどのミドルウェアを展開し、ビッグデータの活用を促していく。「ビッグデータ関連ソリューションは、昨年以上に加速させる」(廣川氏)という。