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AppDynamicsが日本法人設立、ソニー事例など発表


 AppDynamicsは5月23日、日本法人アップダイナミクス ジャパン合同会社の設立に合わせたローンチイベント「AppDynamics Japan GK Launch Event」を開催。AppDynamicsの創設者兼CEOのジョティ・バンサル(Jyoti Bansal)氏や、インターナショナルセールス・ディレクター、デイビッド・シュウィッケラー(David Schwickerath)氏が参加し、同社のビジョンやミッション、製品の特徴、事例を紹介した。

設立5年でユーザー1200社を突破したシリコンバレーの注目企業

ジョティ・バンサル(Jyoti Bansal)氏
ジョティ・バンサル(Jyoti Bansal)氏

 AppDynamicsは2008年に設立されたアプリケーションパフォーマンス管理(APM)ソフトを展開する企業。CEOのジョティ・バンサル氏はWily Technologyでチーフアーキテクトを務めていた人物で、会社に対して「次世代のアプリケーションアーキテクチャ」に対応するための機能を提案したが、Wilyではかなわず、みずから会社を起こしたというキャリアを持つ。

 ユーザー企業は世界40ヵ国1300社に迫る勢いで、2013年の業績は前年比175%の受注増。ガートナーのAPM分野のマジッククオドラントではリーダーのポジションに位置(2013年12月)する。米IT誌や各種評価機関でアワードを受賞するなど、シリコンバレーでも伸び盛りの注目企業という。

 最初の講演に登壇したCEOのバンサル氏が強調したのは「ソフトウェアがビジネスを定義するようになった」ということ。アプリケーションのアーキテクチャは、メインフレーム、クライアント/サーバ、単一システムへと進化し、現在は、クラウドを中心としてますます分散化が進んでいるという。

 「実際、Fedexは運送会社でありながら、みずからのビジネスを展開するために2000名規模のソフトウェアエンジニアを擁している。最適な輸送経路を計算し、荷物をタイムリーに届けるには、分析を長けたエンジニアが欠かせない。1000名規模のエンジニアがある鉄道会社のUnion Pacific、3万名規模のエンジニアがいるJPモルガンチェースもそうだ。ソフトウェアが競争力の源泉になっており、まさにSoftware Defined Businessという状況だ」(同氏)

 そして、こうしたアーキテクチャで求められるのは、サーバやシステム基盤に対するITオペレーションではなく、ビジネスレベルでトランザクションを把握することだという。そこで開発されたのがAppDynamicsだという。

 「我々のミッションは、次世代のITのビジネスを支援すること。それは、アプリケーションの運用をいかに効率化するかであり、そのためにビジネストランザクションに注目した。たとえば、顧ECサイトで航空券を販売するとする。その際、だれがいつログインし、どのようにしてカートに入れ、購入に至ったかを可視化し、顧客にとって最も望ましいパフォーマンスを提供する。そのビジネストランザクションを自動的に表示できるようにすることで、企業を支援する」(同氏)

 これらを実現するために、AppDynamicsでは、システム内で実行されるバイトコードにコンテキストタグとよばれるタグを付与する。それらをトレースすることでビジネスコンテキストを可視化できる。タグを追跡するために、各サーバにエージェントをインストールするが、システムへの負荷は2%程度と小さい。そのため、本番環境にそのまま適用することでシステム全体のアプリケーションパフォーマン管理が可能になるとした。

ソニーがAWS上に構築するクラウドプラットフォームに適用

デイビッド・シュウィッケラー(David Schwickerath)氏
デイビッド・シュウィッケラー
(David Schwickerath)氏

 続いて登壇したデイビッド・シュウィッケラー氏は、AppDynamicsが企業をどう支援できるのかについて、顧客の事例をもとに解説した。アプリケーションのパフォーマンスがビジネスに直結するようになった。シュウィッケラー氏によると問題の70%はソフトウェアに起因しており、それらを解決することでビジネスに寄与することができるという。

 「オンラインチケットのExpediaでは、AppDynamicsを導入してアプリケーションに起因するパフォーマンスの問題を解消し、チケットの購入率を25%向上させた。導入初年度からROIが出たケースだ。我々の顧客は、当初こそEC事業者やデペロッパーが多かったが、今では、ゲーム、製造、金融、保険などあらゆる業種に及んでいる。そして、ビジネス部門のトップが、ビジネスで成果を上げるために我々のソフトを利用しているのが特徴だ」(同氏)

 アプリケーションの問題がどのくらいビジネスに損害を与えるかについては、同社の顧客事例をもとに紹介した。このケースでは、通常のレスポンスタイムが100ミリ秒のところ、障害で10.1秒になり、1分あたりの売上高が64.499ドルから11.987ドルに落ち込んだという。

 こうした顧客事例は国内でも広がっているという。AppDynamicsが国内展開を開始したのは2012年で、ユーザーすでに50社を超えている。シュウィッケラー氏に続いて行われた事例紹介セッションでは、そのうち、写真共有サービスなどの各種BtoCサービスをクラウドプラットフォーム上から展開するソニーがAppDynamicsをどのように利用しているのかが明かされた。

 事例紹介にあたったAppDynamicsのセールスエンジニアマネージャの狩野芳文氏によると、ソニーのクラウドプラットフォームは、Amazon EC2上の数百のインスタンスで構成されている。各種APIとSOA連携する複雑なアーキテクチャを持ち、各アプリケーションのパフォーマンス監視や障害の根本原因の追求に、AppDynamicsを活用している。現在、検証を終え、本番環境への適用を進めている段階だ。

 課題は、大きく2つあったという。1つめの課題は、市場ニーズにあわせて機能を更新したり新機能をリリースしようとするうちにサブシステムが増加し、パフォーマンス障害時の原因究明が困難になり始めていたこと。2つめは、サーバ間の連携がわかりにくくなり、各サーバのログをタイムスタンプを見て人力で照合せざるをえなくなり、問題のAPIの分析に非常に時間がかかるようになっていたこと。

 「AppDynamicsは、こうした課題を製品が持つさまざまな機能を使って解決することができます。障害が発生してエンドユーザーからクレームを受けて初めて調査するというのではなく、運用段階から問題を特定し、障害を分離し、短時間で障害発生を抑えることができます」(狩野氏)

次のページ
サーバ間連携トレース機能や問題SQLの特定までできる機能が評価

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齋藤公二(サイトウコウジ)

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