
商用RDBMSと遜色ない機能を持ち、エンタープライズ用途での採用が拡がるPostgres Plusの最新バージョン9.4が、今秋のPostgreSQL 9.4リリースに追随する形で2014年11月にリリースされます。本連載では3回にわたり、エンジンであるPostgreSQLとともにPostgres Plus 9.4に実装される新機能の全容に迫ります。
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Postgres Plusへの高まる期待
Postgres PlusはPostgreSQLに未実装のエンタープライズ向け機能を強力に補完したRDBMSで、サブスクリプション・ライセンス形式で提供されています。開発元であるEnterpriseDB社にはPostgreSQL開発コミュニティの主要コミッタが複数名在籍しており、Postgres Plusに加えてPostgreSQL本体の開発にも積極的に参画しています。

2014年7月17日に開催された国内初となるEnterpriseDB社主催「EnterpriseDB Summit Tokyo 2014」は、定員数を大きく超える250名以上の参加があり、Postgres Plusへの国内ユーザ企業の関心の高さが伺えるイベントとなりました。
イベントでは、Postgres Plus導入成功事例セッションとしてOracle Databaseが稼働するミッション・クリティカルなシステムをPostgres Plusに移行を進める韓国最大手の通信系企業Korean Telecom(以下、kt)社の事例が紹介されました。kt社は、Postgres Plusへの移行を決めた理由として、Postgres Plusが高い性能要件を問題なくクリアできたこと、EnterpriseDB社によって製品の品質が保証されていること、アプリケーション改修コストを含む全体コストが最も抑えられたことを挙げており、オープンソースであるPostgreSQLのメリットを享受しつつ、メーカーの存在という安心感とエンタープライズの要求レベルに応える機能の実装という3つがPostgres Plusの大きな魅力であると言えます。
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- この記事の著者
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高瀬 洋子(タカセ ヨウコ)
株式会社アシスト データベース技術本部 アシスト入社後、Oracle Databaseのサポート業務を経て、2009年よりPostgreSQL、EDB Postgresのサービス立ち上げに参画。2017年4月にイギリスから日本へ拠点を戻し、海外イベントで得た情報などを活かしてEDB Postgre...
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