IoT/M2M、ビッグデータ関連ソリューション――NTT Comパートナー各社が解説
データ分析の民主化を早くも実現「データダイバー」
データビークルは2015年2月に設立したデータサイエンス専門企業。折しも、同じころにガートナーは「2017年までに企業のユーザーやアナリストがデータ分析するためにセルフサービスツールを利用するようになる」と予測している。このセルフサービスツールを早くも具現化したのがデータビークルのBIツール「データダイバー」だ。同社取締役で『統計学が最強の学問である』の著者でありデータサイエンティストの西内啓氏のノウハウが凝縮したものとなっており、業務上の目的を設定してからデータを分析し、可視化するようにできている。
「M-Pin」によるパスワードレス認証でセキュアなシステム環境を
NTTソフトウェアはNTTグループの中でも先端技術開発事業を受け持ち、NTTの研究所で得られた成果を事業化できるところが強みとも言える。いま注目される「IoT」をレイヤで分類すると、クライアントレイヤ、アプリケーションレイヤ、インテグレーションレイヤ、デバイスレイヤなり、NTTソフトウェアはNTTコミュニケーションズのクラウド上にシステム構築して提供している。中でもセキュリティの観点から注目なのは、IoTを想定した次世代の分散型暗号技術と鍵管理プラットフォームとなる「M-Pin」だ。M-Pinを応用すれば、機器固有の番号を用いて安全に鍵を生成・配布できるので、機器の認証とデータの暗号化を容易に実現する。
IoTプロジェクトのフレームワーク「enebular」
IoTプロジェクトとなるとスケジュールは短く、コストは低く抑えられ、さらに不確実性が高い状態で進めていかなくてはならない。ウフルはクラウド活用により、初期投資を抑え、スピーディーな環境構築を行い、かつ一気通貫した対応が強みとなっている。特にIoTソリューションで特徴的なのが「enebular」というプラットフォームだ。Salesforce、heroku、Google、Amazon Web Serviceなど主要なクラウドサービス間のAPIを使った連携をグラフィカルに可視化し、一元管理できる。現在「enebular.com」にてベータ版公開中。風力発電機のストリームデータのリアルタイム解析などで実績がある。
IoTやM2Mの課題を解決するSensor Gateway Platform
ものづくりと技術にこだわり、品質を重視しているFITは独創的な技術でIoTやM2Mに取り組んでいる。FITではセンサ機器からサーバまでのインフラ環境構築はNTTコミュニケーションズのArcstar Universal Oneサービスを活用し、センサ機器への機能追加はFITが開発したSensor Gateway Platformを提供している。これは近接通信により各種センサ機器と接続し、スモールスタートや低コストを実現している。過去には車両センサ機器による車両運用管理システムで車両の監視や制御を実現したり、電力収集センサ機器で無理のない高齢者の見守りシステムなどを実現してきた。
インフラ設備のクラウド型遠隔監視システムをセキュアな回線で実現
いま上下水道などの処理施設は供用開始から長期間が過ぎ、更新時期を向かえている。新規整備、維持管理、改築を一体的にとらえ、事業の平準化とライフサイクルコストの最小化や長寿命化を実現することに目が向けられている。日本ソフト開発株式会社は、これら施設の監視ソリューションを提供している。まずセキュアで信頼の高いNTTコミュニケーションズのArcstar Universal OneモバイルのVPN回線と堅牢なデータセンターを東西に構え、各施設ではコルソスなど実績のある監視端末を用いたクラウド型遠隔監視サービスで提供をしている。Webブラウザにてタブレットやスマートフォンを用いてどこからでも監視業務が行えるなど、今後ますますシームレスなクラウド化が進むととらえており、サービス向上に余念はない。
MMLink機器とMMCloud併用でIoT/M2Mをワンストップで提供
安川情報システムはIoT/M2Mに長らく携わってきている。ハードウェア機器はシリアルモデムから、アプリケーションはパーキングシステムのカスタム開発から始まり、近年ではそれらが融合した形でデータ収集からビジネス活用までワンストップで提供できるような態勢となっている。通信機器のMMLinkシリーズは3GやLTEにも対応し、海外電波認証実績も豊富。クラウドサービスのMMCloudと組み合わせることによりFieldbus対応機器をカスタマイズせずセキュアにクラウドに接続可能となる。機器の制御ソフトから通信機器、回線、クラウド環境のアプリケーションまでワンストップで提供できるのが強み。