IPv6の策定
それはまだインターネットが日本で流行る前、1990年時点で既にインターネットがこのまま発展すれば経路情報が増大し、IPv4アドレスも枯渇する事が問題として報告されました。
これに対して短期的には幾つかの技術的対応も考えられるが、長期的には新しいプロトコルの検討が必要だということになり、次世代のプロトコル選定に向けた動きが始まります。
当時はOSIという国際標準規格が登場していて、各国の政府もこれを公的標準としていました。インターネットでもOSIのCLNPを次のインターネットのプロトコルとして採用する動きもありました。
しかし、これはエンジニアたちの強い反発を受けて、一旦仕切り直しになります。 そしてIETFで1992年頃から次世代のプロトコル策定に向けて様々な提案と議論がなされました。
提案された様々なアイディアは徐々に集約され、1994年には複数の候補の中からSIPPと呼ばれるIPv4を発展させたプロトコルをベースとして採用する事が決定されました。
SIPPはIPv4から使われていない機能をそぎ落としてアドレスを拡張した様なプロトコルで、とてもシンプルなものでした。このプロトコルにはIPバージョンとして6が割り当てられていたので、次世代のインターネットプロトコルはIPv6となりました。
そして、1995年には128bitの固定長アドレスを持つIPv6の基本仕様ができあがりました。その後も議論は継続し、1998年に改定されたIPv6の基本仕様がRFCとして発行され、現在に至っています。