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IPv6時代のネットワーク事情

IPv6対応の心構えと導入手順をおさえる

第4回

IPv6でインターネットに接続するには、事前に考慮しておいた方が良い点があります。今回はそんな導入時に押さえておく点や、問題の起きにくい段階的なIPv6導入について解説します。  

IPv6対応の心構え

 今時のクライアントは標準でIPv6に対応していて、しかもIPv4とIPv6の両方が使える環境であれば、IPv6を優先して利用する仕様がほとんどです。

 これらはIPv6の環境を用意すれば、勝手にIPv6を使い始めちゃいます。すると、IPv6の品質が悪いと、場合にもよりますがそれに引きずられて通信に遅延が発生してしまうのです。ですので、IPv6対応を進める際もIPv4と同程度には品質に気をつけておく必要があります。

 品質といってもいろいろありますが、具体的には接続性の部分を担う、ルータが重要です。

 ISP等で利用されている大型のルータでは既にハードウェアでIPv6を処理しており、10GbpsだろうとIPv4と同様に利用できますが、企業や大学等で利用されている中規模のルータだとIPv4についてはハードウェアでとても高速に処理できるもののIPv6についてはソフトウェアで処理するので、どうしても性能が良くない場合があります。

 これがより小規模なルータになってくると、そもそもIPv4もソフトウェア処理しているので、IPv6でもそんなに性能差が無いようです。

 総じて、IPv6がIPv4と同様に処理されるなら問題ありません。一方がハードウェア処理とか専用チップで頑張って処理されていると、性能差が出てきてしまいます。

 家庭で小規模に利用する場合や、企業でもIPv6のトラフィックが見込まれない場合はそんなに気にしなくても大丈夫です。

 我が家はADSLを利用していて、2002年ぐらいに手に入れたIPv4で頑張っても30Mbpsぐらいしか処理できないルータでIPv6 over IPv4トンネルを受けていますが、今のところ、外部からのリモートアクセスも特にストレスなく使えています。

 そもそものADSLの遅延の方が大きくてトンネル部分の処理が誤差の範囲なのです。もちろん、もっと大規模に利用する場合にはルータの性能も効いてきます。

 オフィスなどで社内通信が多い場合に、知らない間にIPv6を利用してしまうことも考えられるので、そんな場合には利用する機器の性能に注意しましょう。

図1: IPv6/IPv4の両方環境があると、IPv6が優先される
図1: IPv6/IPv4の両方環境があると、IPv6が優先される

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手始めは接続性

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この記事の著者

松崎吉伸(まつざき よしのぶ)

1998年にIIJ(株式会社インターネットイニシアティブ) に入社。2000年から同社バックボーン運用に参加し、設計から運用までを手掛ける。2007年にはAPNIC IPv6 Technical Sig Chairに就任。より良いインターネットを目指してあれこれ楽しそうな事を見つけながら頑張っている...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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