世界各国でアジャイル開発を推進する「Pivotal Labs」とは?
EMCがアジャイルのソフトウェア開発サービスやツールを提供するPivotal Labsの買収を発表したのが2012年。後にPivotalが設立し、2013年夏にはPivotalジャパンが設立した。Pivotalの誕生から約3年。Pivotalジャパンは2015年の報告と2016年の事業戦略、および昨年開設したPivotal Labs東京を記者に披露した。
整理しておくと、PivotalはPivotal Labsほか、GREENPLUM(並列処理データベース)、Spring(フレームワーク)など当時「第三のプラットフォーム」と呼ばれる次世代基盤にフォーカスをあてる企業として設立された。買収されたPivotal LabsはいまPivotalの一事業部という扱いになる。
いまPivotalでは統合データ分析基盤「Pivotal Big Data Suite」、アジャイル開発に強い「Pivotal Labs」、企業向けクラウドネイティブプラットフォーム「Pivotal Cloud Foundry」を中心に提供している。
2015年、PivotalではPivotal Labs創始者のRob Meeが新CEOに就任。アジャイル開発を推進すべくPivotal Labs拠点の世界展開を推進している。2015年末時点でPivotal Labsは世界で16カ所(現在は17カ所)に増え、 2016年内には20カ所ほどに増える見込み。ほかにもPivotalはこれまでに続き、Cloud FoundryやPivotal Cloudなどクラウドプラットフォームの展開に力を入れている。
またPivotalは2015年中に全ビッグデータ製品のオープンソース化を完了した。オープンソース化された時期と製品は次の通り。2015年5月にApache GEODE(インメモリ・データストア)、2015年9月にHAWQ(SQL on Hadoop)とMADlib(統計関数ライブラリー)、2015年10月GREENPLUM(並列処理データベース)。
Pivotalジャパンで見ると、9月に「Pivotal Labs東京」の運用を開始した。ついに日本にもPivotal Labsが開設されたことになる。今は六本木ヒルズにオフィスをかまえ、すでに4つのプロジェクトを受注して開発が進められている。Pivotal Labs東京のディレクターにはダニー・バークス氏が就任。
Pivotal Labsの総本山ともいえるPivotal Labsサンフランシスコから来日しており、日本拠点への意気込みの表れとも言えそうだ。現時 点ではPivoal Labs東京のメンバーは14名ほどだが、年末までに25名ほどの増員を目指し、ゆくゆくはサンフランシスコに並ぶ規模(約100名)を目指しているという。