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IT担当者のための<新>業務の基礎知識

現行業務をシステム化、まず何から検討すべき?(前編)

 現在の企業では管理する業務の大小こそありますが、少なからずシステムを導入しており、業務管理とシステムは密接な存在で切り離せないものとなっています。本連載では「IT担当者のための業務の基礎知識」を題材に、初めて現行業務をシステム化することになった企業のシステム導入検討チーム担当者を仮定し、注意すべき基本事項を記述していきます。

システム化検討の手順とは?

 第1回目では現行業務をシステム化する際に注意すべきポイント(前編)として、以下4つのフェーズに分けてご紹介します。

  1. なぜシステム化を行いたいのか、課題を整理し社内でシステム化の意思統一を行う
  2. システム化する対象業務の範囲を決定する
  3. 自社業務の管理方法を調査・整理する
  4. システム化の検討方針(パッケージに業務を合わせるのか、業務にシステムが合わせるのか)を決定する

 

1.なぜシステム化を行いたいのか、課題を整理し社内でシステム化の意思統一を行う

 現行業務をシステム化することになった場合、なぜシステム化を行うのか明確にする必要があります。単純に上層部からの指示の下、現行業務をシステム化することのみに注力し検討を進めるのではなく、システムを導入する目的として、

  • なぜ今システムを導入しなければならないのか
  • システムを導入することでどのような課題を解決したいのか
  • 事務作業の効率化及び人件費の削減が目的なのか
  • 手作業で作成している経営管理資料の作成負荷の軽減なのか
  • 現行業務のどこに問題がありシステムの導入が必要になったのか
  • 会社が求めるシステム像(標準機能の充実度、業務網羅性、システム自体の拡張性など)は何なのか

 など、これらが明確になっておらずシステム化の意思統一が行われていないと、システムに関する数多くの情報を収集することになり、本格的に検討を開始するまでに時間が掛かる、ある程度検討チームで選定したシステムに対し決済を得る際に、上層部のシステム化に対する考えと認識に違いが生じ、差し戻され検討が振り出しに戻る、現場担当者へ検討状況を展開した際、機能や入力方法に対し求めていたものとの乖離が生じ受け入れらない、など様々な問題が生じてしまいます。

 これらよりシステム化を検討する上でその基盤や土台とも言える意思統一はまず行うべき事項となります。

次のページ
2.システム化する対象業務の範囲を決定する

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この記事の著者

山口 文彦(ヤマグチ フミヒコ)

ビーブレイクシステムズ 営業部 リーダー 大学卒業後、キャラクターグッズの企画・製造・販売を行っている企業にて営業として販売活動に従事。その際携わった基幹システム刷新プロジェクトの経験を活かし2012年にビーブレイクシステムズに入社。自社開発ERPパッケージ「MA-EYES」の営業担当となり、関東、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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