
前回は「現行業務をシステム化する際に注意すべき事(前編)」として、初めて現行業務をシステム化することになった企業のシステム導入検討チーム担当者を仮定し、注意すべき基本事項について紹介しました。今回は引き続き「現行業務をシステム化する際に必ず注意すべきポイント(後編)」として、システムより出力する帳票に関するポイントや、最終選考時に注意すべきポイントについてご紹介していきます。
現行業務をシステム化する際に注意すべきポイント
第2回目である今回は現行業務をシステム化する際に注意すべきポイント(後編)として以下3つのフェーズに分けてご紹介します。
- システムより出力する見積書、請求書などの各種帳票を整理し統一する
- システムより出力する分析帳票について検討する
- 最終選考時に注意すべきポイント
1:システムより出力する見積書、請求書などの各種帳票を整理し統一する
見積書や請求書などの帳票をシステムから出力していない場合、特に見積書については各営業担当者がExcelにて作成していることが多く、案件に応じてフォーマットを変更しているケースもあり統一されていないことがあります。
また、作成した見積書の管理を各営業担当者が個別に(または部署毎に)行っている事が多く、情報の一元管理ができず共有が困難である、過去の見積情報を参照するのに時間が掛かる、などの傾向も見受けられます。
請求書については、主に経理担当者が受注情報や契約書情報を基に人為的に作成する為、誤った請求額を記載してしまうなどの事故が起こる可能性も考えられます。
システムを導入し各種帳票をシステムより出力することで情報の管理・共有や金額の誤入力を防ぐ事が可能になるというメリットを得ることができますが、その際に注意すべきポイントがあります。
それはシステムより出力する帳票フォーマットを整理し統一する、という事です。
フォーマットが整理し統一されていないと、案件によってはシステムから出力する帳票は情報が足りず使用できない、などの理由より結局システム外で作成することになりシステム導入前の問題が解決されません。
また、複数存在する現行のフォーマットを継続し、システムから出力できるようにするには多くの導入コストが掛かることが予想されます。
これらの課題を解決する為にもシステム導入を機に現行の帳票フォーマットを整理・統一し、検討しているシステムがパッケージ製品であればどこまで必要な情報が出力できるのか確認し、足りないものがあれば補う方法を検討する必要があります。また、スクラッチ開発にて自社専用のシステムを構築するのであれば正確にベンダーへ整理した結果を伝える必要があります。

システムより出力する見積書、請求書などの各種帳票を整理し統一する
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山口 文彦(ヤマグチ フミヒコ)
ビーブレイクシステムズ 営業部 リーダー 大学卒業後、キャラクターグッズの企画・製造・販売を行っている企業にて営業として販売活動に従事。その際携わった基幹システム刷新プロジェクトの経験を活かし2012年にビーブレイクシステムズに入社。自社開発ERPパッケージ「MA-EYES」の営業担当となり、関東、...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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