攻撃者は変わった。だから我々も変わる。
目指したのは合理的な環境の整備、監視センターのイメージチェンジ、1人あたりの作業スペースの拡大の3つ。環境整備は知的労働の場として合理的かつ生産性を高められるようにすること。イメージチェンジは監視センターの暗いイメージを清廉なイメージに変えること。
これまで作業スペースはすぐにチームで情報共有できるように間をつめていたが、それぞれが思考に集中できるようにスペースを広くした。ただしすぐにチームで情報共有できるような工夫もある。チームは背中合わせで輪になって座る座席配置となっており、何かあれば振り返り仲間と顔を合わせることができる。
中間氏は「攻撃者は変わった。だから我々も変わる。ただし人間はすぐには変わらないので、まずは環境から。ホワイトハッカーの清廉なイメージを目指しました」と話す。
新しいJSOCは延床面積を約2倍に拡張。新しいセキュリティ対策技術や製品に柔軟に対応できるチーム体制を整備した。
ラックが目指した新しい環境を実際のデザインに落とし込むとき、コンセプトとして掲げたのは「ホワイトハッカー」と「ブレインワーク」。ホワイトハッカーはセキュリティのエキスパートであり、悪ではなく正義の味方だ。この清廉なイメージを形にするために、清潔感を想起させる白と光を効果的に配置した。壁、家具、床など全体を白い素材で固め、デザイン性の高い照明に加えて外光(太陽光)も取り入れ、明るい空間を作り出した。
ユニフォームも新調した。これまでは白とグレーのジャケットだったところ、ラックのコーポレートカラーであるブルーをベースとしたジャケットに変えた。背中の肩より少し低い位置にロゴが入っているのがポイントだ。男女ともに同じデザイン。
今後、ラックでは毎月第二水曜日に見学ツアーを定期開催する。サイバーセキュリティの最前線を開示することで、JSOCの重要性についての理解を促す。