ソラコムは10月11日、以下の新製品やサービスを発表した。
- SORACOMプラットフォームに加入者管理機能(HLR)を実装、IoT向け組み込みSIMの提供を開始
- IoT向けの新料金体系を提供開始。待機期間や休止中の基本料が通信しない期間は無料に
- API経由のSMS送信が可能に
- 「SORACOM」独自のアプリケーション(アプレット)を組み込んだ SIM を提供
- Sigfox ネットワークを自由に構築できるレンタル基地局の事前受付を開始
- SORACOM 対応デバイスも拡張、Sigfox Shield for Arduino の販売を開始
- 7種類のセンサー付「Groveスターターキット for SORACOM」も提供
- 「SORACOM パートナースペース」における認定済パートナーとして6社を追加認定
チップ型SIMと加入者管理機能(HLR)実装で事業者のメリット高める
ソラコムはすでに米国、欧州で各国のキャリアと提携しカード型のグローバルSIMを発行しているが、これまでは通信の認証管理はSIM発行元のキャリアによるものだった。そのためSIMを組み込んで出荷する事業者は、在庫時や出荷前の疎通段階でも通信料が課金されるという課題があった。
ソラコム独自の加入者管理機能(HLR)の実装により、実際にエンドユーザーの使用時まで停止させて置くことが可能になる。また車載や工場用の組み込みに対してもチップ型のeSIMにより形状も自由になり、より柔軟なサービスが提供できることになる。
IoT事業者向けの新料金体系、パブリックβ期間中は無料
新料金体系では、IoTなどの事業者向けに利用開始後もしばらく使わない場合のステートを追加し、事業者のコストを削減する。従来は休止期間も基本料金が発生したのに対し、今後は待機や休止中は無料となる。
新料金体系は以下。またパブリックβは期間中は無料となる。
API経由のSMS機能を追加
APIコールを受けてデバイスにSMSを送ることが可能になる。SORACOMが直接送信するため、グローバルで安価な料金でSMSを送信可能になるとともに、認証された所有者のみが送信可能なためよりセキュアになる。これにより普段はデバイスをスリープモードにし、データ通信を起動させずにSMSにより設定情報などを送信できるようになり、オーバーヘッド低下により省電力化になる。ただしデータ通信に比べコストは割高になりがちだという。
また、SIM上で動作して様々な拡張機能を実行するSIMアプレットも提供する。
Sigfoxレンタル基地開始
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が提供する「Sigfox」のレンタル基地局の事前受付を開始する。
初期費用:24,800円/式、月額費用:9,800円/式で、地下/屋内等、非対応エリアでも利用可能となる。また、Sigfox通信モジュールと5種類のセンサ(温度、湿度、気圧、加速度、ボタン)を搭載したSigfox開発ボード「Sigfox Shield for Arduino」の提供も行う。電子工作分野において全世界で広く活用されているArduino Unoなどに接続し、ソフトウェアを組み込むことで、簡単にSigfoxを活用したIoTアプリケーションの評価、トライアルが可能になる。6,480円/台(本体・初期費用・利用料1年分)。
7種類のGloveスターターキットを発売
3軸デジタル加速度センサー、GPS、超音波距離センサーなど、Wio LTE JP Version 向けの各種センサー類をセットで提供し、 手軽で取り組みやすいセルラーIoTを実現する。
こうした通信モジュール拡充によりソラコムを利用する事業者は、プロトタイプではラズベリーパイやドングルを使い、開発や試作でPCIeやボードを使い、量産段階では実装タイプを選択するなど、ビジネスのスケールに応じた導入が可能となる。またそれぞれの段階に応じたレファレンスもWebコンソールから購入が可能になるという。
今回の発表に際し、玉川社長は「KDDIグループに参加してまだ、数ヶ月だがこれまでのソラコムらしさを失うことなく、新しい技術をどんどん実装していく」とコメントした。