SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Online Monthly Special

今度のデータウェアハウスブームはアプライアンスが市場を活性化する!/マイクロソフトのDWH戦略

DB Online 2011 June Monthly Special


アプライアンスはOLTPの世界にもやってくる

安いから性能もそれなりかと言えばそんなことはない、とパフォーマンスについても自信も見せる。既存システムを今回のアプライアンスに単純に置き換えるだけでも確実に処理は速くなり、検索時間は簡単に数分の1程度にはなるとのこと。このHP Enterprise Data Warehouse Applianceで利用されているのは、Microsoft SQL Server 2008 R2 Parallel Data Warehouse(以下 SQL Server PDW)という製品だ。これはMPP (超並列プロセッシング) 型のアーキテクチャで、サーバーノードを追加することで大きな拡張性が得られる。現状で、CPUは120コアから最大480コアまで拡張可能であり、数テラから数百テラを超えるサイズのデータウェアハウスも十分に構築可能とのこと。

「Denaliのカラムインデックスは本物」

また、並列処理に加え性能向上に大きく寄与しているのが、SQL Server 2008 R2から強化されたデータ圧縮機能だ。圧縮により大規模なデータが扱えるようになるだけでなく、ディスクIOが減り大幅な性能向上も図れるとのこと。「既存データウェアハウスで扱うデータの多くが数値データなどのため、圧縮率はかなり高くなる傾向があります。テラバイト規模だと思っていたシステムが、SQL Serverに入れてみたら数百ギガバイトに収まったということもあります」と北川氏。

データウェアハウス関連の機能については、SQL Serverの次期製品「Denali」でもかなりに強化がなされるとのこと。なかでも北川氏の一押しは、カラムナインデックス(カラムストアインデックス)だ。「Oracle Exadataのカラムナインデックスよりも本物」と語気を荒くする。Denaliでは必要なフィールドだけでなく、計算結果だけを持ってくることができるので、よりフィルタリング効果が高くなるはずだと主張する。

Microsoftは、将来的に今回のデータウェアハウスとBIのアプライアンスに加え、OLTPのアプライアンス製品も提供する予定だ。これは、早ければ2011年の下半期には市場に登場するようだ。Oracle Exadataのように1台でOLTPもデータウェアハウスもまかなうというものではなく、OLTP専用のものとなる。アプライアンスの波は、データウェアハウスの領域だけでなく、今後はOLTPの世界にまでどんどん広がっていきそうだ。

*    *    *

データウェアハウスの世界を、アプライアンスの存在が活性化させていることは間違いない。今回は、SIで独自の仕組みを構築するのかアプライアンスで行くのかの選択ではなく、どのアプライアンスを選択するのかに確実にシフトしていることを、肌で感じるインタビューとなった。

アプライアンスを選択する際に、どのポイントを重視すればいいのか。単純に製品を横並びにしてスペックを比較するのではなく、自社の戦略に合うのはどういう機能、性能で、かつそれを手に入れるにはどのくらいのコストをどのくらいの期間に亘り捻出できるのか。価格が安いに越したことはないが、ただ製品価格が安ければそれで良いというものでもない。導入時の費用だけでなく、運用管理の手間とコスト、次にアプライアンス製品を更新する際の手間とコストまでを、十分に考慮し賢く選択する必要がありそうだ。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
DB Online Monthly Special連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/3237 2012/02/10 17:23

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング