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今度のデータウェアハウスブームはアプライアンスが市場を活性化する!/マイクロソフトのDWH戦略

DB Online 2011 June Monthly Special


2011年3月10日、HPとMicrosoftは共同でデータウェアハウスおよびBI機能に特化したアプライアンス製品「HP Enterprise Data Warehouse Appliance」「HP Business Decision Appliance」の発表を行った。両社は、製品の提供だけでなく、導入支援や保守サービスに至るまで全面的に協力し、顧客はワンストップで製品提供、サービスを受けられる体制を敷く。ところがこの発表の翌日、東日本大震災が発生、日本は大混乱に陥ってしまう。外部要因的に両社の新たなビジネスは、かなり厳しいところからの出発となった。発表から3ヶ月ほど経過した6月の初旬、ビジネスは現在どのような状況にあるか?マイクロソフトに話を訊いた。

目まぐるしく変化しているデータベースベンダー地図

「アプライアンス製品への顧客の反応は上々」

「この3ヶ月で、顧客に対し10数件の提案を行っています。すでに導入を支援する検証サービスのPOC(Proof of Concept)を始めているところも数社あり、その結果まさにいま導入を決定してくれそうな顧客も出てきたところです」と語るのは、日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 クラウド&アプリケーションプラットフォーム製品部でSQL Server製品を担当しているエグゼクティブプロダクトマネージャの北川 剛氏。大震災直後の極めて厳しいビジネス環境にあって、これだけの成果が出ているのはかなり良好なものと言えるだろう。

その要因には、今回の製品が「アプライアンス」だったことが挙げられるはずだ。ここ数年、データウェアハウスの世界では、新たなアプライアンス製品が次々と登場している。それまでは、Teradataがこの領域では永きにわたりトップを独走してきた。そこに、2000年ころからNeteezaが登場、2005年には日本法人の日本ネティーザが設立され、国内市場にも本格参入している。2010年9月には、このNeteezaをIBMが買収し、業界を驚かせることになる。

オープンソースソフトウェアを活用したアプライアンス製品を提供する、Greenplumが設立されたのは2003年。それまでのデータウェアハウス・アプライアンスの「高価な専用ハードウェア」というイメージから、標準でオープンなテクノロジーを活用して、高性能化を実現しつつ比較的安価であることを売りに、新進ながら業界で注目を集める存在となった。このGreenplumも2010年6月、世界最大のエンタープライズ・ストレージベンダーであるEMCに買収されることとなる。

そして、データベース界の巨人Oracleから、Exadataが登場したことも業界に大きなインパクトを与えた。2008年9月、HPのハードウェアと同社データベース製品を組み合わせたアプライアンス製品の提供を、米国で開催されたOracle OpenWorldのイベント中に発表。ソフトウェアベンダーとして初のハードウェア製品の提供であり、興奮した面持ちで自社製品の優位性をまくし立てていたCEO ラリー・エリソン氏の様子を思い出す。その後、OracleはSun Microsystemsを買収、現在のOracle Exadata V2はOracleのソフトウェアとSunのハードウェア技術が密接に融合された「データベースマシン」へと進化している。

この他にも、アプライアンス製品の発表には至っていないが、SAPが老舗データベースベンダーのSybaseを、HPがリアルタイムビジネス分析のVerticaを買収するなどといった動きもある。これらベンダーからも、いずれはデータウェアハウスやBI機能に特化した、アプライアンス製品が登場してきても何ら不思議ではない。

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アプライアンスとしては後発のMicrosoftのチャレンジ

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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