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省エネ機器の今後の動向 スマートメーターと低炭素社会のこれから

  2010/12/27 17:55

日本における省エネ機器の動向

 このように紹介すると、アメリカでの取り組みが非常に進んでいるように見えるが、実は日本でも「省エネナビ」という呼称で、同じように電力利用データを計測し、表示するための端末が利用されている。省エネナビは、財団法人省エネルギーセンターが普及を進めているもので、「省エネナビ」シリーズ紹介というページを見ると、さまざまな機器があることがわかる。

 省エネルギーセンターでは、1998年より省エネナビのモニターを公募し、省エネ効果の調査を継続して行っている。例えば、2001年度から2004年度にはNEDOによるモニター調査も実施している。現在でもさまざまな自治体でモニターの募集や調査などを行っているようである。

 ただし、この省エネナビの存在はなかなか知られていないのが事実である。筆者の周りに聞いても存在を知っている人はほとんどいなかった。残念ながら、現時点では認知度が高いとはいえない省エネナビだが、例えば、1999年のモニター調査では、住宅モニター784戸における対前年削減率が平均で20%となっていたことが公表されている。このような具体的な数値やメリットを前面に押し出すことで、今以上のユーザを獲得できる可能性はあるだろう。

省エネ機器の今後

 今まで紹介してきたように、アメリカだけでなく、日本でも省エネ機器は以前から利用されている。今後、低炭素化社会に向けての動きが促進され、またスマートグリッドが注目を集めていく中で、これまで以上にこのような省エネ機器にも注目が集まるだろう。

 ただし、このような機器を設置すると、電力利用状況というプライバシー性の高い情報を取得することができるようになるため、情報の扱いや保護についても注意を払わなくてはならない。また、かつて省エネナビを設置していたにもかかわらず、利用をやめてしまった人の中には、家族に電力利用に関する情報を知られることに抵抗があるという理由を述べている人もいたが、このような心理的な障壁も、乗り越えなければいけない課題になるだろう。

 省エネ機器の有用性を今まで以上に訴求し、想定される課題に対処していくことで、今後、このような機器の利用はますます広がっていくだろう。



著者プロフィール

  • 新井 宏征(アライ ヒロユキ)

    SAPジャパン、情報通信総合研究所を経て、2013年よりプロダクトマネジメントに特化したコンサルティング会社である株式会社スタイリッシュ・アイデアを設立。2006年に『プロダクトマネジャーの教科書』を翻訳出版後、企業に対するプロダクトマネジメントの導入や新規事業開発、製品開発の支援を行っている他、「プロダクトマネジャー養成講座」を開講し、プロダクトマネジャーの養成にも力を入れている。また、プロダクトマネジメントに関する話題を中心とした「Stylish Ideaニューズレター」も毎週発行している。

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