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第1回 XenServer 5.0を使用したサーバの仮想化

  2008/12/16 09:00

3. ストレージ管理

 XenServerのストレージ管理機能については前回ご説明した通りです。要約すると、今までの仮想化ソフトウェアは、XenServerも含め仮想化ソフトウェアの導入によって、ストレージが持っている機能がほとんど使用できなくなってしまいます。このため、ストレージは高速で高価な共有ストレージとしての利用が主でした。しかし、新しいバージョンのXenServerによって、ストレージが持っているスナップショットや、高速クローン、シンプロビジョニングの機能が使用できるようになるというものでした。

 XenServer4.1では、NetApp DataONTAPのみストレージとのインテグレーション機能がサポートされていました。今回のXenServer 5.0では、新たにDell EqualLogicのストレージにも対応しました。Dell EqualLogicのストレージでRAIDのみ設定をしておけば、新しい仮想マシンを作成したり、仮想マシンのコピーを行う場合に、仮想ディスクが自動的にシンプロビジョング対応Volume(LUN)として作成されます。

 もちろん、仮想マシンをコピーしたり、カスタムテンプレートから新しい仮想マシンを作成するなど、仮想ディスクのクローン処理が発生する場合には、EqualLogicストレージの中でVolumeの高速クローン処理が自動的に実行されます。

 基本的に、XenServerから仮想ディスクのスナップショット作成を行う場合、自動的にストレージのスナップショット機能が使用されます。XenServer 5.0では仮想ディスクだけではなく、仮想マシンについても作成機能が提供されました。仮想マシンのスナップショットにはVMメタデータと仮想ディスクが含まれます。スナップショットはストレージで提供されるため、スナップショット化による仮想マシンのパフォーマンス劣化が発生しません。これにより、仮想マシンのスナップショットを何世代も保持することが可能になります。

 たとえば、毎夜スナップショットを作成するような運用も可能になります。スナップショットの作成機能を実行すると、対象仮想マシンのカスタムテンプレートが作成されます。仮想マシンそのものを作ってしまうと、本来一つしか存在しないはずのマシンを同時に起動してしまうといった、予期せぬ不整合を起こしてしまう可能性があるためです。

 もし、仮想マシンの状態をある時点まで戻したい場合は、スナップショット機能によって取得したカスタムテンプレートから仮想マシンを作成します。また、スナップショットをディスクから別の媒体にバックアップしたい場合には、テンプレートをエクスポートするか、テンプレートの仮想ディスクを仮想マシンにマウントしバックアップすることができます。

VMスナップショットを使用したバックアップの例カスタムテンプレートのエクスポート/インポート
VMスナップショットを使用したバックアップの例カスタムテンプレートのエクスポート/インポート
VMスナップショットを使用したバックアップの例テンプレートディスクをバックアップサーバにマウント
VMスナップショットを使用したバックアップの例テンプレートディスクをバックアップサーバにマウント

 実行中の仮想マシンに対してもスナップショットを作成することができます。仮想マシンがWindows 2003とWindows 2008の場合、VMスナップショットはVSSを使用します。VSS対応しているMicrosoft SQL Server等であれば、データのフラッシュを行い、整合性のあるデータでスナップショットが実行されます。

 それ以外の仮想マシンはCrush Consistent の状態となるため、サービスを停止させてからスナップショットを実行することをお勧めします。

4. まとめ

 以上、XenServer 5.0の3つの機能強化ポイントをご紹介しました。この他にもXenServer 5.0では多くの機能強化が行われており、エンタープライズ企業のデータセンターでも仮想化環境を構築することができるようになりました。

 特筆すべきは、これら多くの機能強化が行われたにもかかわらず、ライセンス体系と価格に変更はありません。リーズナブルな価格でパフォーマンスと管理性に優れた仮想化製品を入手することができます。ぜひ、専用ページから無償のExpress Editionをダウンロードしてみてください。

 また、Enterprise Editionのトライアルライセンスでは、XenServerのフル機能を体験することができます。



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