IDCでは、国内PaaS市場を、クラウドアプリケーションプラットフォーム、クラウドインテグレーションサービス、 クラウドデータサービス、クラウドアプリケーション開発/ライフサイクルサービス市場、その他のクラウドプラットフォームサービス、の5つの中分類市場で定義している。
2016年のPaaS市場は昨年の傾向を継続し、クラウドデータサービス市場が好調に推移した。アナリティクス向けのクラウドDWH(Data Warehouse)が引き続き好調な上、オペレーション用途でのRDBMS(Relational Database Management System)の利用が大きく増加する傾向にある。
この市場の前年比成長率は55.0%、271億円となった。また、クラウド利用の進展にともない、クラウドとオンプレミス、複数のクラウド間でのデータ交換の需要が顕在化している。この機能を提供するクラウドインテグレーションサービスは本年度の前年比成長率が40.4%、市場規模66億円と大きく規模を増大させている。
IDCでは、企業のデジタルトランスフォーメーションを進めるためのアプリケーション基盤として、継続的なアプリケーションデリバリーに適合したPaaSに対する需要は一層の高まりを見せており、中期的にCAGR 26.0%の高い成長を続けていくとみている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストである草地慎太郎氏は「デジタルトランスフォーメーション(DX)に適合するPaaSを活用したDevOps型の開発においてITサプライヤーは専任の組織や企業を立ち上げるなどして、新しいビジネスモデルに適合した体制を持ってビジネスに取り組むべきである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内PaaS市場予測、2017年~2021年」にその詳細が報告されている。