最新版では、「RACCOON」の開発環境Developer Studioをバージョン管理システムApache Subversionと連携させ、チーム開発には欠かせない変更履歴管理が可能になった。また、入力データがフラットファイルの場合や出力ファイルのデータ構造が項目数の多い場合など、変換処理時間を最大約25%短縮した。これにより作業効率と開発生産性を向上させ、変換処理の高速化を実現したという。
企業情報システムの構築におけるチーム開発の現場では、複数の開発者が平行して開発を進めるため、ソースのバージョン管理や同一ソースに対する修正などの変更履歴管理は、デグレードを防ぐ重要な手段になる。「RACCOON」のDeveloper Studioを使ったノンプログラミング開発においても、チームで取り組むケースは多く、データ加工・変換を実行するための変換定義ファイルなどにおいてもバージョン管理や変更履歴管理への要望もあったという。
今回の最新版でオープンソースのバージョン管理システムApache Subversionと連携することでそれに対応した。また、変換定義やファイルの内容を比較し、その差分を表示するファイル比較機能も追加しており、チーム開発での作業の効率化と開発生産性の向上を図ることが可能となった。
一方、データ変換ツールには、高い処理性能が求められるため、最新版では、データ変換処理時間を改善し、最大約25%短縮、高速化を実現したとしている。
最新版の主な新機能は次のとおり。
1. バージョン管理システムとの連携:Developer Studio
Developer Studioのワークスペースで作成、編集される変換定義ファイルやテストデータなどさまざまなファイルの変更履歴を、バージョン管理システム「Apache Subversion」で管理する機能をサポート。変換定義ファイルなどの過去の変更内容を確認、変更前の状態に復元することが可能。
2. ファイルの比較:Developer Studio
Developer Studioのワークスペースで管理する変換定義ファイルなどの内容を比較し、差分を表示する機能をサポート。編集したファイルの変更点を確認でき、異なる2つのファイルの差異を確認することができる。
3. ワークスペースの切り替え:Developer Studio
Developer Studioのワークスペースを、Developer Studio上で切り替えて利用できる機能をサポート。これまでは設定ファイルを書き換える必要があったが、本機能を利用することで、プロジェクト単位でワークスペースの切り替えが容易になった。最大20個のワークスペースを管理でき、操作性、管理性が向上。
4. 新たなデータベースをサポート
Oracle 12c R2 (12.2.0)、Amazon Aurora(MySQL互換)への接続が可能になった。
5. Microsoft Excel 2016をサポート
入出力データのフォーマットとして、 Microsoft Excel 2016をサポート。
6. 汎用JDBCをサポート
入出力データのフォーマットに汎用JDBCをサポートし、JDBC方式に対応したシステムとデータの読み取り/書き込みを可能にした。