EDIサービス市場の2016年度の売上金額は118億4,000万円、前年度比12.0%増となった。市場を構成するほぼ全てのベンダーが売上げを伸ばし、特に上位ベンダーでの高い伸びが市場規模の拡大の要因となっている。
EDIサービスは、現状、比較的低価格に導入できることから、製造業および流通業を中心に大企業から中小企業まで幅広い層で導入が進んでいる。
また、PSTNマイグレーション(2024年中を期限とした、既存の公衆交換電話網のIP移行)、あるいはそれに伴った全銀TCP/IPの仕様の確定などを機に、運用の負担軽減、今後も予想される各種仕様変更への迅速な対応、人的/物理的コストの軽減などを目的として、2024年にかけてオンプレミス型からクラウド型に移行するユーザーの増加が見込まれる。こうしたことから、同市場のCAGR(2016~2021年度)は9.8%を予測している。
ITRのプリンシパル・アナリストである甲元宏明氏は、「いまや企業単独でのビジネス推進は不可能であり、多くの企業がグローバル規模で他の企業とのパートナーシップを強化しています。B2BのためのITインフラの再構築を望む国内企業は多数存在し、PSTNマイグレーションを契機に今後企業は自社EDIインフラを見直すと考えられます。その際には、EDIのクラウドサービスを最優先に検討する企業が多数を占めるでしょう」とコメントしている。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:システム連携/統合ミドルウェア市場2017」に詳細を掲載している。レポートには、BPM市場、BRMS市場、EAI市場、ESB市場、API管理市場、CEP市場、EDIエンジン市場、EDIサービス市場の国内全29ベンダーへの調査に基づいた2015~2016年度売上げ実績および2021年度までの売上げ予測を掲載している。