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2018年第3四半期 トラディショナルPC市場、法人市場は2四半期連続で前年同期比2割増に迫る――IDCが実績値発表

中堅中小企業の買い替えは来年中盤に山を迎える

 法人市場は前四半期から本格的な成長局面に突入しており、この買い替え需要は来年も継続するとIDCではみている。現在、この成長を牽引しているのは主に大企業だが、中堅中小企業の買い替えは来年中盤に山を迎えるとIDCは予測している。

 9月にマイクロソフトから発表されたエンタープライズおよび教育向けのWindows 10のアップデート猶予期間の延長プログラムは、両セグメントにおけるWindows 10への移行計画に影響を与えると思われるが、2020年1月のWindows 7の延長サポート終了前後に、両セグメント以外の法人市場で大方のPCがWindows 10への移行を終了するとIDCでは予測している。

 一方、家庭市場については、3四半期連続で前年同期比10%ほどの減少が続いているが、2017年の出荷が比較的好調であったことから、今年は先食いの影響が出ているものと思われる。

カンパニー別の出荷数上位5社

 レノボ/NEC/富士通グループは、グループ全体で前年同期比13.2%増、特に法人市場での同比が20.9%増と躍進が目立っている。グル―プ内の各ブランドでも、大企業への出荷がグループの法人市場の成長を牽引している。家庭市場では、同比3.6%減とマーケットの平均と比較すると減少幅が小さく、特に富士通の同市場での強さがグループ全体の家庭市場の業績を引き上げる格好となっている。

  ・富士通は、同グループ内で最大の出荷規模を有している。法人市場で前年同期比25.4%増、家庭市場では同比21.0%増と、両市場で好調だった。

  ・NECは、法人市場でCPU供給不足の影響を受け、前年同期比が2.9%増と法人市場の平均を大きく下回った。家庭市場では同比22.4%減と、両市場での不調が目立つ結果となった。

  ・レノボについては、法人市場が前四半期に続き大きな伸びを示し、前年同期比42.3%増だった。大企業への出荷が急拡大した。家庭市場も同比2.6%増と好調だった。

 日本HPは、法人市場で同比26.8%増、家庭市場は同比29.8%増と、ひときわ好調だった。

 デルは、法人市場は同比24.6%増、家庭市場では同比18.8%減で家庭市場での低調が続いている。

 東芝は、法人市場で同比3.3%増と法人市場の平均成長率を大きく下回った。大企業では好調を維持したものの、CPU供給不足の影響を大きく受けた模様。家庭市場は同比41.0%減と不調。シャープによる買収後の新体制での方針が明らかになるまで不透明感が続きそうだ。

 アップルは、法人市場で同比6.4%増、家庭市場で同比1.2%増だった。

参考資料:2018年第3四半期 国内トラディショナルトPC出荷台数 トップ5カンパニーシェア(作成:IDC Japan)

 今回の発表について詳しくは、IDCが発行する「国内PC市場 2018年第3四半期の分析と2018年~2022年の予測」に掲載されている。この調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したもの。

 ここでいう国内のトラディショナルPC市場には、デスクトップPC、ポータブルPC、ワークステーションが含まれている(x86サーバーは含まない)。IDCでは、より正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っている。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがある。

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