三菱地所が、グルーヴノーツの量子コンピュータを活用した組合せ最適化技術を採用
三菱地所グループは、「まちづくりを通じた社会貢献」を基本使命に、丸の内を中心に国内主要都市でオフィスビルの開発、運営管理業務を展開している。
グルーヴノーツは、AIによる高精度な未来予測から組合せ最適化までを実現する独自の機械学習・深層学習・量子アルゴリズム開発、ソフトウェア実装に成功し、大手企業向けクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」として提供することで、量子コンピュータの業務適用を可能にしている。量子コンピュータの商用サービス化においては、グルーヴノーツが世界で初めて実現したという。
三菱地所では、多様な人・企業が集い、交流することを通じて進化していく街を目指し、丸の内エリアの「オープンイノベーションフィールド」化を進めており、先端技術・テクノロジーの街づくりの有用性等について調査・研究を行う「Marunouchi UrbanTech Voyager」プロジェクトに取り組んでいる。
その中で、量子コンピュータをはじめとする先進技術に対する深い知見や、世界に先駆けて商用サービス化を実現したグルーヴノーツの実績が評価され、新たな価値創出におけるテクノロジーパートナーとして共同で実証実験を開始した。
労働・地球環境対策に向け、量子コンピュータ活用によるルート最適化の実証実験を開始
三菱地所では、都市再生特別地区である丸の内エリアにおいて、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資やSDGsへの取り組み拡大に努めている。そこで、三菱地所とグルーヴノーツは、グルーヴノーツの量子コンピュータ技術とAI技術を活用した実証実験として、丸の内エリアで三菱地所が管理するビルから発生する廃棄物を効率的に収集運搬するルートを導き出す「廃棄物収集ルートの最適化分析」に取り組む。
これにより、将来的に収集作業の効率化や車両走行距離の短縮につなげることで、特に廃棄物収集運搬業務における人手不足の解消や、街全体のCO2排出量削減(低炭素化)を目指していくとしている。
約123haと広大な丸の内エリアには、およそ4,300の事業所が存在する。このたびの実証実験においては、約30棟のビルに対して、AIで各ビルの就業者数等から廃棄物の重量や個数を予測するなど、廃棄物を収集するタイミングを推定するという。
そこから、廃棄物収集車両の種類や耐荷重、収集における作業時間、各ビルの制約条件等を考慮した上で、量子コンピュータを活用して、車両の運搬経路の最適解を導き出すとしている。