ガートナージャパンは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止などをきっかけとして、テレワークに本格的に取り組もうとする企業が注意すべきポイントを、3月13日に発表した。
同社は、コラボレーションと勤怠管理というアプリケーションの観点から、CIOやアプリケーションリーダーに対して、おもにオフィスワーカーがテレワークを推進する際の注意事項として、以下の2点を挙げている。
・自社のテレワークの準備態勢がどのレベルにあるかをチェックし、無理のない適用範囲(対象者)を設定する
・これまでテレワークを導入してきた企業で生じた問題と、それらの回避策を知り、自社で発生し得るトラブルに備える
「自社のテレワークの準備態勢がどのレベルにあるかをチェックし、無理のない適用範囲(対象者)を設定する」に関しては、テレワークの実施段階を6つのレベルに分類。オフィスワーカーの業務内容によるテレワークへの移行難易度を理解した上で、「自社の準備状況に鑑みて適用範囲(対象者)を設定することが肝要」とした。
なお、2019年4月に働き方改革関連法が施行されて以降は、多くの企業がテレワークを採用しているが、もっとも多いのは「レベル1」相当だという。
2つめの注意点「これまでテレワークを導入してきた企業で生じた問題と、それらの回避策を知り、自社で発生し得るトラブルに備える」では、これまで国内企業におけるテレワークへの取り組みがうまくいかなかった要因として、以下の5つの課題を挙げた。
課題1. 資料が自宅から閲覧できない
課題2. ビデオ会議の品質が安定しない
課題3. コラボレーション・ツールの使い方が分からない
課題4. 勤務時間を正確に把握できない
課題5. 現場の従業員がシャドーITの利用を拡大してしまう
同社のアナリストでバイスプレジデントでもある志賀嘉津士氏は、こういったテレワークの課題について「これらの課題は一朝一夕に解決できるものではなく、抜本的に解消するためには、長期的に取り組まざるを得ません」と語るとともに、「テレワークは、今回の感染症対策だけでなく、大型台風、大震災、その他災害時における事業継続の観点からも必要であり、これを契機に取り組みをより強固なものへと進化させていくべきです」と述べている。