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クラウディアンが2020年度の事業戦略を発表、ビジネスパートナーとの連携強化による市場拡大を目指す

 オブジェクトストレージ・ベンダーのクラウディアンは、2020年度の事業戦略を4月1日に発表した。同社は今期、グローバルで2019年の2倍以上の売上を目指している。

 事業戦略の1つめとして、2020年度は、2019年にディストリビューション契約を締結したネットワールドとの協力をさらに強化し、同社が強みとするサービスプロバイダー、メーカー、エンターテインメント、政府機関、金融業界といった市場に対し、国内での積極的なセールスを展開していく。同社は、VMwareの世界でもっとも重要なディストリビューターの1つであり、顧客ベースへの理想的なチャネルの提供が可能になることから、売上増が期待できる。

 さらに、他のディストリビューターおよびリセラーとの関係を緊密にするとともに、金融、小売といったマーケットに強い販売・ソリューション提供会社との新たな連携を開拓。新規市場への進出も進めていく。

 事業戦略の2つめには、VMwareとの連携強化も掲げる。VMwareは、完全統合連携するオブジェクトストレージ製品として、グローバルでははじめてクラウディアンの「HyperStore」を選択している。VMware製品を使用するサービスプロバイダーは、同社から直接「HyperStore」を購入して、「VMware Cloud Director」のインターフェースから直接データ制御および管理が可能になる。

 海外では、「VMware Tanzu」を介してアプリケーションのデータリポジトリとしてVMwareと連携するソリューションが増えており、日本でも「Kubernetes」への関心が高く、「VMware Tanzu」によって連携しやすくなっていることから、VMwareとの連携によるサービスプロバイダー市場の拡大を図っていく。

 クラウディアンは現在、スイスのVeeam Software、米Splunk、米Pure Storageなどと緊密に連携し、独自のソリューションを提供している。そこで、パートナーとのさらなる協力を3つめの事業戦略としている。Veeam Softwareは、業界で唯一のランサムウェアのフェイルセーフ保護の実現に、クラウディアンのオブジェクトロック機能を活用しているため、サービスプロバイダーはランサムウェア保護サービスを顧客に提供できる。さらに、Veeam Softwareのランサムウェア保護サービスを、企業内のオンプレミスのソリューションとして構築することも可能になっている。

 また、Splunkとの協力で世界の主要金融機関、政府機関やメディアに、高度に最適化されたアーキテクチャを提供しており、今後はSplunk、クラウディアン、システムインテグレーター、および顧客を含むすべての利害関係者に、より多くのWin-Winの機会を創造していく。

 製品戦略としては、「HyperStore」にオブジェクトストレージのインスタンスを仮想化およびコンテナ化して、「Spark」「Presto」「TensorFlow」といった分析ツールから直接アクセスでき、「Kubernetes」や「VMware Tanzu」などオーケストレーターから直接デプロイを可能にする。そのほか、Seagateとのパートナーシップによる一層の高密度製品の提供や、より高度なCPUとGPUなどによるML(機械学習)およびAIサービスで、データへの直接アクセスを可能にし、ネットワークのボトルネック問題の解消を目指す。

 また政府機関・金融業界に求められる強力な認証ポートフォリオの提供、管理ポートフォリオによる運用・保守性の向上、さまざまなクラウドプロバイダーやVMwareとの緊密な連携によるデータセンターの動的な拡張を実現する自動化APIの提供を行う。

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