米SAS Instituteは、新型コロナウイルス感染症の抑制に向けた取り組みとして、無料の視覚的テキスト分析環境「COVID-19 Scientific Literature Search and Text Analysis」を提供する。
「COVID-19 Scientific Literature Search and Text Analysis」では、AI、自然言語処理、言語規則、高度なモデリング手法を活用して、新型コロナウイルス感染症に関連するテキストや数値データを、迅速かつインテリジェントに抽出。これにより、関連する数万件もの研究論文をすばやく検索し、命を救う可能性のある回答を研究者に提供できる。
同環境は、無料で一般公開されており、セルフガイド式のクラウドベースシステムを通じて、世界中の研究コミュニティともっとも関連性の高い科学文献を迅速かつ効率的に結びつけることを目的としている。
ユーザーは、潜伏期間、遺伝的変異、リスク評価といった、新型コロナウイルス感染症関連の研究のインタラクティブな探索が可能。さらに抽出したキーワードや要約した定量的データを視覚化し、ネットワーク分析の可視化を用いて共引用や論文の権威をすばやく見極め、フリーテキストで主要用語を検索できる。
同環境では、「SAS Viya」の高度なアナリティクス/AI手法を通じて、研究者による新型コロナウイルス感染症のデータセットの探索を可能にすべくインタラクティブな環境を実現する。また「SAS Visual Text Analytics」や「SAS Visual Data Mining and Machine Learning」によって、言語学者や保健/生命科学の専門家が開発したモデルでデータセットを強化している。
研究者は、PPE(Personal Protective Equipment, 個人防護具)の効果や、ソーシャル・ディスタンスの有効性、感染環境などのトピックを探索でき、新型コロナウイルス感染症の潜伏期間や再生産数といった数量データの抽出/視覚化が可能になる。
そのほか、同社の新型コロナウイルス感染症への対応としては、クリーブランド・クリニックとの共同開発による医療リソース最適化モデルに基づいて、さまざまなウイルス予測シナリオを実行し、疾病発生の影響を予測して公衆衛生の緩和戦略の有効性を数値化するインタラクティブ環境「COVID-19 Epidemiological Scenario Analysis」を発表。
あわせて、無料の分析モデル、新型コロナウイルス感染症の感染状況をモニターする公開ダッシュボード、「SAS Viya」で構築されたデータ探索環境、無料トレーニングなどを利用できる専用サイト「COVID-19データ・アナリティクス・リソース・ハブ」を提供している。