NTTテクノクロスは、匿名加工情報作成ソフトウェア「tasokarena(タソカレナ)」に、医療やヘルスケア向けの機能を追加した新バージョンを、9月に発売する。
「tasokarena」は、パーソナルデータの特性や利用目的に応じた匿名加工情報の作成を支援するソフトウェア。自治体・医療機関・健康保険組合などが保有しているパーソナルデータの利活用を促進すべく、新バージョンには、加工技法の組み合わせ(加工ルール)についての検討を支援するAI機能と、医療・ヘルスケア向けの拡張機能を追加した。
AI機能では、「tasokarena」の補助ツールに入力・設定したパーソナルデータの内容から、個人を特定できるかの危険性を判別。そのデータに対して、適用を検討すべき加工ルールの提案を行う。AIによる支援によって、数十種類ある加工技法からどの技法を適用すればよいかをゼロから検討する手間が省け、匿名加工情報を扱った経験が少ない医療の現場担当者など、あらゆるユーザーの負担軽減につながる。
さらに、自治体・医療機関・健康保険組合などの共通仕様になっているレセプトデータを読み込めるようにする変換ツールも提供する。このツールにより、レコード識別情報の値ごとに異なるレコード項目数や記録内容について、データの形式を合わせるなどのクレンジング処理が不要になる。また、変換後のレセプトデータから作成した匿名加工情報を再び元のレセプトデータのフォーマットに戻せるようになっているので、既存のレセプトデータの分析システムでも匿名加工情報の利活用が可能になる。
ほかにも、投薬日のデータなど日付の間隔を保ったまま加工する技法や、同一事業者内での情報共有における安全性を高めるため、自由記述欄に含まれる個人情報を削除するマスキングツールが追加される。
税別価格は、スタンダード版(GUI版)が年間60万円から、エンタープライズ版(スタンダード版+自動実行/データ連携機能)が年間180万円から。