PwCコンサルティングは、新型コロナウイルス感染症の流行による医師の医薬品情報収集方法の変化と課題についての調査結果を、6月22日に発表した。
同調査は、新型コロナウイルス感染症の流行による医療機関への訪問自粛など、製薬企業の情報提供体制の変化が医師の医薬品情報入手に及ぼした影響について、国内の1週間あたりの感染者数が1000人を超えていた4月23日~5月1日の期間に、国内の400名以上の医師を対象に行われている。
調査対象者に、新型コロナウイルス感染症の流行前と流行中に、医薬品の情報をおもにどこから入手していたかを、もっともよく利用していた順に3つまで選んでもらったところ、新型コロナウイルス感染症の流行前はMR/MSL(直接面会)が最多だったのに対して、流行中は「講演会・ウェブセミナー」や「ウェブサイト」といったオンライン経由での入手が多数を占めた。

新型コロナウイルス感染症の流行中の、オンラインチャネルを利用した医薬品情報の入手の増加傾向は、すべての年代に共通している。

新型コロナウイルス感染症の流行前にMR/MSLから入手していた情報と、そのうち流行中に入手できず困っている情報を尋ねた質問では、流行前にMR/MSLから入手していた情報としては「有効性」「安全性」「関連疾患/治療全般」が上位となった。
一方、流行中にMR/MSLから入手できなくて困った情報としては、「困っていない」がもっとも多く、以下「有効性」など流行前にMR/MSLから入手していた情報の上位が続く。

今後のMR/MSLチャネル施策の利用意向では、「製品パンフレット・症例情報など従来紙で提供されていた情報のデジタル化」「診断や治療などで口頭では伝わりにくい情報提供時のVR活用」「「相談したいときにリモートで呼び出せるMR/MSLアプリ」が上位となった。

Webチャネルの利用意向を尋ねた質問では、「AIを活用し閲覧している論文などで探している情報のハイライト機能」「医師の専門やMR/MSLとのやり取りから興味・関心を類推し情報を個別化」「医師専用の情報提供管理ページによってMR/MSLとのコミュニケーションが可能」を求める意見が多い。

講演会チャネル施策の利用意向としては、「ウェブセミナー中心の情報提供」「閲覧期限なしで過去の講演会を配信」が同数で1位となっている。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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