日立製作所と日本マイクロソフトは、東南アジア、北米、日本における製造・ロジスティクス分野向け次世代デジタルソリューション事業に関して、複数年にわたる戦略的提携に合意した。
今回の提携によって、両社は協力して新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともなう遠隔地での保守や、自動化・省人化の需要拡大に対応したソリューションを提供。ウィズコロナ/アフターコロナの新常態(ニューノーマル)における企業の復興・変革を支援する。
具体的には、日立が同社のデジタル技術を活用した次世代マニュファクチャリング・ロジスティクス・メンテナンスを実現する「Lumada」ソリューションや、日立産機システムのIoT対応産業用コントローラ「HXシリーズ」と、Microsoft Azure、Dynamic 365、Microsoft 365などを組み合わせて、企業の生産性向上や業務効率化の支援を行う。また、両社は共同で同事業の展開に必要なデジタル人材の育成を進める。
今回の協業において、日立は3つのソリューションを提供、活用する。1つめは「生産性向上を実現するマニュファクチャリングの高度化」として、「Hitachi Digital Supply Chain(日立デジタルサプライチェーン)」やAzure IoTなどを活用。製造現場の4Mデータを収集し、生産の進捗確認や設備の稼働状況、作業員の動作などの見える化・分析を行う。
2つめは「データアナリティクスによるロジスティクスの最適化」として、「Hitachi Digital Solution for Logistics」やAzure Mapsなどを活用。これにより、配送の条件(納品日時、物流拠点の位置、走行ルート・時間、渋滞、積荷時間など)や、熟練者の経験を取り入れたデータの分析を行う。
3つめは「予兆保全とリモートアシストによるメンテナンス」として、「HoloLens 2」と「Dynamics 365 Remote Assist」などを活用。製造・流通現場とオフィスをシームレスにつないだ写真、テキスト、音声などによる作業証跡の保存、遠隔での作業指示を可能にする。
これらのソリューションの導入・管理には、日立の「Lumada Solution Hub」を利用する。ユーザーは、Azure上でのデジタルソリューションの早期検証から本番環境へのスムーズな移行、および複数拠点への効率的な展開などが可能になる。
協業の第1弾としては、7月からタイ王国においてソリューション提供を開始する。