コネクトデータは、オープンデータの活用に関する調査結果を発表した。DXを実現するための重要な活動の一つである、オープンデータの活用に関して調査を行ったところ、中小企業ではデータ収集やデータ前処理などの準備や、データ活用を進めるためのコスト面が課題となっていることがわかったという。
1. オープンデータを、自社の課題解決や新規企画のために活用したことがないと約8割が回答
「政府や地方公共団体などが公表するオープンデータを、自社の課題解決や新規企画のために活用したことがありますか?<SA>」という設問では、「はい」が約2割、「いいえ」が約8割という結果になり、約8割がオープンデータを活用したことが無いことがわかったという。このことから、近年オープンデータが増えている一方で、まだ活用しきれていない企業が多いとしている。
2. 現状オープンデータを活用できていないが今後活用したいと思う企業のうち約半数が、コスト面が懸念となり活用のための準備ができていない
オープンデータの活用をしたことがないが、今後活用したいと思っている企業は約3割あり、「活用するためにどのような準備をしていますか?<MA>」という設問では、そのうちの約半数が「コストがかけられないため現状は見通しが立っていない」と回答。コスト面を懸念してデータ活用を進めるための準備ができていない企業が多くいることがわかったとしている。また、「データ利活用の知識・スキルを社員に身につけてもらう」という回答も約4割と次に多く、このことから、データ活用に関する専門の人材が不足していることが伺えるという。
3. オープンデータを活用したことがある企業の半数が、新型コロナウイルス感染症拡大によりオープンデータが増加していると実感
新型コロナウイルス感染症拡大によりEC利用の増加や、テレワークへの移行などあらゆるものがオンライン化され、分析する対象となるデータが増えているとしている。実際に、「オープンデータを活用したことがある企業の中で、新型コロナウイルス感染拡大により活用できるオープンデータが増えていると思いますか?<MA>」という設問では、「非常にそう思う」と「そう思う」と回答した企業が合わせて半数以上いることがわかったという。このことから、データ活用に既に取り組んでいる企業の多くが新型コロナウイルスの感染拡大によるオープンデータの増加を実感していることが明らかになったとしている。
4. オープンデータ活用における課題第1位は「欲しいデータが見つからなかった」、第2位は「データの形式にばらつきがあり分析がしにくかった」となり、データ収集に課題を感じる企業は合計約9割
オープンデータを活用する際の課題として、「欲しいデータがなかなか見つからなかった」が約6割、「データ収集に時間がかかった」が約3割という結果となり、オープンデータを活用する前段階である、データ収集を課題視している企業が多いことが明らかになったという。
また、「データ形式にばらつきがあり分析がしにくかった」という回答も3割以上となり2番目に多く、オープンデータを分析するためのデータの前処理に課題を感じている企業が多くあるとしている。
これらの結果から、オープンデータの活用を進めている企業でも、準備段階に時間や手間がかかり、効率的にデータ活用できていない企業が多いことが伺えるという。
5. オープンデータの活用目的として「市場調査のため」が約4割、「新規事業検討のため」、「新製品、新サービスの開発のため」がそれぞれ3割と続いた
「オープンデータをどのようなことに活用しましたか?<MA>」という設問では、活用目的第1位は「市場調査のため」が約4割、第2位は「新規事業検討のため」と「新製品、新サービスの開発のため」がそれぞれ約3割という結果になっている。このことからオープンデータは、外部情報を把握することや、自社の事業拡大、新サービス開発などに活用されていることが明らかだという。
6. オープンデータを活用するための、ITシステムまたはサービスを導入している企業は約4割。また、導入していない理由、第1位は「導入した際の費用対効果が期待できないから」
「オープンデータを活用するためのITシステムまたはサービスを導入していますか?<SA>」という設問では、オープンデータ活用のためITシステムやサービスを導入していない企業が約6割いることがわかったとしている。そこで、導入していない理由を質問したところ、「導入した際の費用対効果が期待できないから」という回答が約6割で最も多く、次に「導入するコストが負担できないから」が約4割。この結果から、コスト面が導入における懸念点となっている企業が多いという。
7. ITシステムまたはサービスを導入している企業が今後システムやサービスに期待する機能は「データをより簡単に収集できる機能」
オープンデータを活用するための、ITシステムまたはサービスを導入している人に、「今後どのような機能があればさらにオープンデータを活用するためのITシステムまたはサービスの活用が進むと思いますか?<MA>」と質問したところ、「データをより簡単に収集できる機能」と回答した企業が約6割となり、第1位となった。その他では、「データ形式の統一など前処理をしてくれる機能」が約4割、「データの分析結果を簡単にビジュアル化できる機能」が約3割、「複数のユーザーでデータ管理・分析など共有できる機能」が約3割となり、データを簡単に収集でき、複数ユーザーで共有することで、多くの人の意見を参考にし、データ活用を少しでも効率化できるような機能を求めていることが伺えるとしている。
【関連記事】
・国土交通省とNTTデータ経営研究所、神奈川県と協同でバリアフリー情報をオープンデータ化
・ANNAI、DKANを活用したオープンデータ公開支援ソリューションを開始
・地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインのデータ作成例に構造化PDFが追加――アドビが発表