Gartnerは、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」を発表した。
今年のハイプ・サイクルでは、1,500を超えるテクノロジーを分析した上で知見を引き出し、今後5~10年にわたって高度な競争優位性をもたらす可能性が高い、押さえておくべきテクノロジーおよびトレンドを「信頼の構築」「成長の加速」「変化の形成」の3つに集約してまとめたという。
「信頼の構築」
信頼 (トラスト) には、セキュリティと信頼性 (リライアビリティ) が求められるという。
たとえば、現在デジタルおよびクラウド・テクノロジー/サービスの市場を支配しているのは、米国とアジアのプロバイダーであり、多くの欧州企業がこれらの地域にデータを保管しているため、政治的な不安やデータ・コントロールの維持、現地規制の遵守に関する懸念が生じているという。
本トレンドにおいて注目すべきテクノロジーはソブリン・クラウド、NFT、機械可読法、分散型アイデンティティ、分散型金融 (DeFi)、準同型暗号、アクティブ・メタデータ管理、データ・ファブリック、サービスとしてのリアルタイム・インシデント・センター、従業員コミュニケーション・アプリケーションだとしている。
「成長の加速」
同社は、信頼できるコア・ビジネスが確立されると回復と成長が可能になるとし、企業はテクノロジー・リスクとビジネス・リスク許容度のバランスを取り、短期的な目標を達成できるようにする必要があると述べている。
注視すべきテクノロジは、マルチエクスペリエンス、インダストリ・クラウド、AI主導のイノベーション、量子機械学習 (ML)、ジェネレーティブAI、デジタル・ヒューマンだという。
「変化の形成」
企業がイノベーションによって変化を形作ることに必要なのは、変化のニーズを予測し、それに合わせて自動的に調整できる技量だとしている。
新たな変化を形作ろうとしている企業が検討すべきテクノロジは、コンポーザブル・アプリケーション、コンポーザブル・ネットワーク、AI拡張型設計、AI拡張型ソフトウェア・エンジニアリング、物理学に基づくAI、インフルエンス・エンジニアリング、デジタル・プラットフォーム・コンダクター・ツール、データ指向ネットワーキング、自己統合型アプリケーションだという。
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