SASは、KPMG、Association of Certified Anti-Money Laundering Specialists(以下、ACAMS)とともに、マネーロンダリング対策(以下、AML)テクノロジーに関する調査を実施した。なお、本調査は世界の850名以上のACAMSメンバーからのインサイトに基いたものだとしている。
調査によれば、新型コロナウイルスへの対応で金融機関の3分の1が、AMLテクノロジー向けにAIと機械学習(以下、ML)の導入を加速させているという。一方で、39%のコンプライアンス専門家は、AI/MLの導入計画は、コロナ禍に関係なく継続すると回答したとしている。
またACAMSは、各メンバーの雇用組織がマネーロンダリングの検出にテクノロジーを利用しているかどうかについて調査し、その規模が毎年世界GDPの2~5%(8000億~2兆ドル)の範囲であると推定したという。
さらに、回答者の57%がAMLコンプライアンス・プロセスにすでにAI/MLを導入、AIソリューションを試験的に導入しているとしたほか、今後12~18か月以内に導入する予定であると回答したとしている。
加えて、本調査では金融機関の規模に関係なく、精度と生産性の向上・コロナ禍との向き合い方などといった銀行へのプレッシャーが、AML向けの高度なアナリティクス利用を加速させる原動力になっていると考察。回答者によれば、AIおよびML導入の主な要因は次の2つだという。
- 調査と規制当局への提出書類の品質を向上させる(40%)
- 誤判定を減らし、それにともなう運用コストを削減する(38%)
SASの金融犯罪およびコンプライアンス担当ディレクターであるデビッド・スチュワート氏(David Stewart)は、「コロナ禍を発端とするコンシューマー行動の急激な変化により、多くの金融機関は、ルールベースの静的なモニタリング戦略では、行動意思決定システムほどの精度や適応性が得られないと認識せざるを得なくなりました。AIおよびMLテクノロジーは、市場の変化や新たなリスクにインテリジェントに適応できるダイナミックな性質を持っており、最小の中断で既存のコンプライアンスプログラムに迅速に統合できます。」と述べている。
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