アイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内のCDP(Customer Data Platform)市場の市場規模推移および予測を発表した。
顧客接点のデジタル化の進展やIoTシステムの普及によって、顧客に紐づくデータ量は増大傾向にあり、顧客データの管理・分析の重要性が高まっているという。また、GDPR(EU一般データ保護規則)などの個人情報保護強化の動きによって、サードパーティデータの利用の制約が進んでいるとしている。その一方で、多くの企業では、用途ごとに乱立するシステム間のデータ連携が取れず、データのサイロ化という事態が発生。CDPの導入によって、データのサイロ化を解消して顧客の動向を可視化し、効率的かつ効果的なカスタマーサクセスが期待できるとして、企業の注目が年々高まっているという。
CDP市場の2020年度の売上金額は87億円、前年度比16.6%増の伸びを示している。2021年度も前年度と同等の伸びを維持するベンダーが多く見られることから、同18.4%増が予想されるという。市場参入ベンダーは増加傾向にあり、各社の積極的なマーケティング活動による市場認知度の上昇によって、幅広い業種で導入が進んでいることから、同市場のCAGR(2020~2025年度)は17.9%を予測。
同シニア・アナリスト 水野慎也氏は、「CDPは顧客の行動と意識を可視化するためのソリューションとして、デジタルマーケティング分野において地位を確立しつつあります。コロナ禍においてオンラインとリアルの双方の行動と意識を一貫して捕捉し、データとして蓄積する同ソリューションへの期待は今後も増すと予想されます。これからのCDPには、大量データの高速処理に加えて、得られた行動と意識データを顧客IDに漏らさず紐づける正確さが求められます。CDPへの機能要求はさらに拡大すると見られます」とコメントしている。
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