日本オラクルは5月23日、東芝の日本・アジアのグループ95社、5万人以上の従業員が利用する標準財務会計システム、BI分析システムおよびその他周辺システムを含む基幹システム基盤に、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」の「Oracle Exadata Database Service」を導入したと発表した。「Oracle Cloud」大阪リージョンに本番環境、東京リージョンに災害復旧(DR)環境、開発・検証環境を構築し、2021年10月から稼働開始してるという。
東芝は、グループ全体でオペレーションを標準化・デジタル化することを掲げており、その中で90%以上のサーバーをクラウド化する方針を打ち出している。今回移行した、財務会計システムとBI分析システムは従来、オンプレミスで運用していた。しかし、ハードウェア保守期限切れ、ハードウェア老朽化、データセンターの閉鎖計画も決まったことから、システム基盤の新たな環境への移行が求められていたという。
東芝は、「OCI」への移行により、システムの利用状況に応じて無停止で柔軟にリソースを調整することができるようになったとしている。性能バランスの最適化による安定性を維持しながら、運用負荷を軽減し、運用コストも10%削減。実際、本番稼働後のパフォーマンス分析により、1日のうちの数時間だけ負荷が高まる状況になることがわかったというが、そのタイミングだけリソースを追加するといった柔軟な対応をしたという。性能が向上したことにより、3時間毎に行っているBI分析処理の完了率も向上した。また、「Oracle Cloud」東京・大阪リージョンのデータベースを「Oracle Data Guard」によって自動で同期することで、高可用性とデータ保護も実現しているという。
なお、今回の移行は、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門と東芝デジタルソリューションズの支援のもと、東芝インフォメーションシステムズが行ったとしている。
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