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SUBARU、大規模HPCワークロードを「OCI」に移行 開発コスト削減などを実現

 日本オラクルは5月18日、SUBARUが、同社の車両設計シミュレーション向け衝突解析・流体解析および3D可視化用高性能コンピューティング(High Performance Computing:HPC)ワークロードの実行環境に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を導入したことを発表した。

 SUBARUではこれまで、走行性能の品質向上などにおけるシミュレーションやテストを実行するために、HPCワークロードをオンプレミス環境で運用。CAEやHPCにおけるクラウド活用の取り組みやさらなる設計・開発効率の向上の一環として、オンプレミスで稼働していた最大数万コアに及ぶ大規模HPCワークロードを「OCI」に移行しているという。

 「OCI」への移行により、場所や電力などの物理環境要件や保守費などのIT管理運用コストなどオンプレミス環境でのシステム拡張での課題を解消。クラウド上で、必要なときにリソースを迅速に拡張可能になり、容量不足などで発生していた障害リスクを回避できるとしている。また、CFDシミュレーション向上による車内音の品質向上、衝突解析における計算のばらつきの解消や最適な構造計算を可能にし、性能品質の安定化を図りながら、計算時間を約20パーセント短縮化し、開発コストの削減を実現しているという。

 なお、同社では2021年12月に「OCI」を採用し、アルゴグラフィクスの支援のもと「OCI」上での環境構築およびHPC環境の移行を行い、2022年5月から稼働を開始。検討当初では、「Oracle Cloud Lift Services」のPOC支援により、クラウド移行の課題や懸念事項を実機環境にて確認・解消し、「OCI」に関するスキルも習得している。

SUBARU 技術管理部 情報管理課 竹熊義広氏のコメント

『安心と愉しさ』を支える技術をより進化させるため、より優れた衝突安全性能や走行性能を追求する膨大なシミュレーションを迅速に行うことが重要です。より高度化し、増大するシミュレーション需要の課題に対応しながら、コスト削減を実現するため、『OCI』のHPCを採用しました。『OCI』の活用は、当社の設計・開発効率向上に寄与し、新たな技術に対応していくための柔軟性とアジリティをもたらします。

日本オラクル 取締役 執行役 社長 三澤智光氏のコメント

安全性や性能など高い品質を追求する自動車業界のエンジニアリング分野では、高度な計算を迅速に行うために強力なHPCを最適なコストで利用できる環境が求められています。『OCI』のHPCは、要求の厳しいHPCワークロードの高い性能と弾力性を低コストで利用でき、SUBARUのような大規模なシミュレーション環境を必要とする企業に最適です。『OCI』がSUBARUのさらなる技術革新に貢献できることを願っています。

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