NECとバージニア工科大学交通研究所(以下、VTTI)は、AIベースの映像解析技術を活用し、交差点周辺のドライバーや歩行者、その他の道路利用者に対して、安全情報や警告を通知する共同実証を実施したと発表した。
この実証では、VTTIが保有するテストトラックの信号柱にカメラおよび映像解析用装置を設置し、収集した映像データから交差点内外の状況の分析を行った。
NECからは、交差点周辺の車両や歩行者、自転車といった道路利用者を検出、分類、追跡できるAIベースの映像分析技術を提供したという。また、本技術と車両や歩行者に対して安全情報や警告を通知するC-V2X システムを統合することにより、インフラと車両が無線通信で情報のやり取りを行うインフラ協調型のモビリティサービスの実現性を評価した。
NECとVTTIは交通安全に関するユースケースとして、車両と歩行者(あるいは車両同士)の衝突予測、横断歩道歩行者検知、右左折車両検知などに対する効果についても共同で評価している。
今回実証したユースケースにおいては、映像解析AIが車両と歩行者(もしくは車両同士)の衝突可能性を検知した後、0.5秒以内に車両に通知することに成功したとのこと。
これにより、一般的に1秒程度かかると言われている運転手の危機察知後の反応時間よりも早く警告を発することが可能となり、見通しの悪い交差点等で衝突の危険性をいち早く伝え、交通事故削減に役立つことが期待できるとしている。
今回の実験にあたり、NECのスマートシティ事業推進部門海外事業統括部長である菊池晃治氏は次のように述べている。
「本実証の結果は、最先端の AI ベースの映像分析ソリューションと C-V2X テクノロジーの組み合わせによって交差点周辺の車両や歩行者に対する安全・安心に寄与する社会的価値を生み出します。本実証で活用した技術は、ドライバーや歩行者の死角となり得るエリアに関する危険な状況を特定し情報を通知することが可能であり、NECは、本実証の結果を展開することで衝突事故や死亡者の減少、および道路インフラからの自動運転のサポートに貢献できると考えています」
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