ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)は、ITリーダーの企業ネットワークへの取り組みに関する調査結果を発表した。
同調査では、世界21ヵ国のITリーダー2,100名からの回答をもとに、ITリーダーが現在どのように企業ネットワークに取り組んでいるかを検証。ビジネスを強化する資産としてネットワークが果たす役割とその結果としてみられる影響について、どの程度理解されているかを調査したという。
ネットワークの果たす役割
ポジティブな点として、ITおよびビジネスのリーダーがネットワークにおける影響の幅と範囲について、認識が高まっていることが明らかになったとのこと。ITリーダーの44%が、ネットワークはデジタルトランスフォーメーション(DX)のためのツールであると認識しており、さらに33%は、より広範なビジネス変革において、ネットワークが役割を果たすと認識していると回答した。
一方、ネットワークは単に接続性の機能を果たす役割との回答はわずか23%だった。変革がどのように実現されるのか、特に従業員体験の向上との関連性が見落とされていることが明らかになっているという。
従業員体験をネットワークでつなぐ
ITリーダーの4分の3が、デジタル化は人材獲得と業務の遂行に不可欠であると考えているとのこと。ところが、選択項目として挙げたビジネス分野のうち、「人材獲得と従業員の定着にネットワークが関連している」の選択が最も少なかった。このことから、ネットワークが従業員体験の向上に与える影響が少ないとITリーダーは推定していることが明らかになったとしている。
この影響は、現在のネットワークが何を提供できるかについて考えてみると明らかだという。自社のネットワークで従業員がどこからでも仕事ができると答えたITリーダーは43%、自社のネットワークがシームレスな接続性を提供できるとした回答者は34%にとどまったとのこと。また、デジタルパーソナライズを念頭に置いた場合、自社のネットワークでBYOD(Bring-Your-Own-Device)サービスを従業員に提供できると回答したITリーダーはさらに少ない29%だった。
ネットワークが投資対効果を発揮している分野
ネットワークがビジネスと強く結びついているとITリーダーが回答した分野の上位3つは、「IT効率」「業務効率」「サイバーセキュリティ」で、DXプロジェクトの中核に挙げられる分野と共通するという。
これらの分野は、回答者がネットワークの効果を最も実感している分野でもあるとのこと。さらに重要なことは、過去2年以内にネットワークに投資した回答者が、最大のビジネス成果を得ていると回答していることだという。一方、ネットワークに投資していないという回答者では、すべてのビジネス分野でポジティブなインパクトがあったという回答が、平均に対して21%ポイント低い結果となった。
ネットワークの効果を高めるためには投資が不可欠だが、ネットワークがビジネスを強化するにあたって、未開拓の可能性がまだ残されていることが明らかになったとのこと。ネットワークの潜在能力を引き出すには、ネットワーク運用のあらゆる側面をモダナイゼーションする、適切なインフラに予算を振り向けることが必要だと述べている。
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